女子トイレ前で土下座強要、日常的に暴言浴びせられ「転校」余儀なく…中学時代の「いじめ」で提訴

AI要約

埼玉県内の市立中学校に通っていた13歳のマサトさんがクラスメイトからのいじめに苦しんでいた。家族に相談したが学校の対応が適切でなかったため、転校を余儀なくされた。

いじめは小学校から続き、主犯格のクラスメイトによる暴言や暴力が激しく、学校側の対応が不十分だった。保護者には事実を隠し、再調査も拒否された。

現在、マサトさんと母親は損害賠償を求める訴訟を起こしており、いじめの実態が明るみに出ることを期待している。

女子トイレ前で土下座強要、日常的に暴言浴びせられ「転校」余儀なく…中学時代の「いじめ」で提訴

2019年、埼玉県内の市立中学校に通っていたマサトさん(仮名・当時中学1年・13歳)は、クラスメイトから日常的にいじめを受けていた。マサトさんは、夏休み明けの始業式の日、母親にいじめられていることを打ち明けた。

母親は学校に対応を求めたが、学校側は適切な対策をとらず、その後も、いじめが続いた。マサトさんは二学期の途中から登校できなくなり、最終的には転校を余儀なくされた。

調査委員会が開かれたが、事実誤認が多いため、母親は再調査を求めたが、市長は認めなかった。それを知った有志の市民が1300筆を超える署名と再調査を求める市議会に請願をした。ただ、市議会で不採択となり、再調査はおこなわれていない。

現在、同級生3人と市を相手取り、あわせて約300万円の損害賠償を求める裁判を起こしている。(ライター・渋井哲也)

マサトさんによると、2019年5月ごろから、クラスメイトによるいじめが始まった。

「もう我慢の限界でした。学校に行けず、寝ようと思っても朝まで眠れない日もありました。一度、夜中に家を飛び出したこともありました。いじめを思い出して、どうしようもない状態になっていました」(マサトさん)

夏休み中はいじめから解き放たれたが、二学期の始業式の日に、もう学校に行きたくないと思い、母親にいじめられていることを打ち明けた。

「すぐに学校へ連絡して『息子はいじめられている。学校を休みます』と連絡しました」(母親)

いじめの中心人物だったテツオ(仮名)は、中学に入学した4月当初から、休み時間や放課後に「死ね」「クズ」「ザコ」「バカ」「アホ」「カス」「キモいから死ね」「気持ち悪い」などと、他のクラスメイトに聞こえるように言い続けたという。

テツオは、マサトさんと同じ小学校出身。小学6年のとき同じクラスだった。そのころから休み時間や教室移動のときに暴言を吐かれたり、日常的に仲間外れなどの嫌がらせをされた。

さらに同じクラスの女子児童を殴るように命令されたこともあった。毎週2、3回、そうした命令があったが、マサトさんは拒み続けたという。

「小学校の頃から、背中や肩、腹、腰、腕、すね・太もも、尻のあたりを拳で殴られたり、足で蹴られたりしました。胸の辺りをこぶしで強く殴られたときもありましたが、そのときは苦しくて倒れました。学校から帰ろうとしたときには、教室から昇降口の間や、階段でしつこく通せんぼされ、帰らせないようにすることもありました」(マサトさん)

小学生のときは担任に助けを求めたが、「チクったな」と言われ、ますますいじめられた。このことを学校側は保護者に伝えなかった。

「息子はアンケートにも『いじめられている』などと書いていました。その資料は、保存期間を前に『処分した』と教頭先生が言っていました。

小学校の校長は、息子の中学進学時、中学校の校長に口頭で『いろいろとちょっかい出されたり、嫌な思いをすることがあるので、学級編成のとき、十分気をつけてください』などと申し送りをした、と私に話していました。

しかし、中学校の校長は、保護者や市教委には連絡していませんし、対策もとっていませんでした」(母親)