朝鮮学校、改修費民間の支援頼み 施設の老朽化深刻、公的補助なく

AI要約

京都市の朝鮮学校が、老朽化した校舎の改修資金をクラウドファンディングで募っている。財政難のため行政補助も受けられず、全国の朝鮮学校でも同様の課題がある。

築60年の京都朝鮮第二初級学校の校舎は、雨漏りやトイレの悪状態が深刻で、子どもたちの学習環境に影響を及ぼしている。

文部科学省の補助の適用外である朝鮮学校は、施設改修のために自治体や保護者の寄付で費用を捻出している。

 京都市の朝鮮学校が、老朽化による校舎の改修工事の資金をクラウドファンディング(CF)で募っている。劣化が深刻で子どもの学習に支障が出ているが、財政難で行政からの補助もないためだ。全国に約60校ある朝鮮学校は多くが同様の問題を抱えており、関係者は「公的補助がないために、市民に支援を呼びかける必要がある現状を知ってほしい」と話す。

 CFを実施しているのは築60年の京都朝鮮第二初級学校。講堂の天井は雨漏りでゆがむ。薄暗いトイレは悪臭がひどく、壁のタイルは剥がれ落ち水が流れない便器も。金栄周校長は「帰宅までトイレを我慢する子もいる。安心して学べる環境を提供したい」と話す。

 文部科学省によると、小中高校の施設改修への補助は公立・私立ともに2分の1から3分の1の金額が出るが「各種学校」に分類される朝鮮学校は適用外だ。

 朝鮮学校は多くが太平洋戦争後約30年の間に創立、当時からの施設は築60年前後だ。耐震工事に補助を出す自治体もあるが、大半の地域は保護者らの寄付で費用を捻出し補修でしのぐ。