能登の倒壊ビル、年内解体は困難 原因究明へ現地調査先行

AI要約

元日の能登半島地震で倒壊し、横倒しのままとなっている石川県輪島市の7階建てビルが公費解体される見通しが年内に難しいとされている。

ビル周辺は小学生の通学路となっており、解体前に倒壊原因の調査が行われる予定で、年内いっぱいかかる見込み。

国交省は慎重に解体する必要があるとし、年明けに本格的な解体が始まる見通し。

 元日の能登半島地震で倒壊し、横倒しのままとなっている石川県輪島市の7階建てビルについて、市による公費解体の年内着手が難しい見通しであることが22日、関係者への取材で分かった。大規模火災が起きた「輪島朝市」近くに位置するビル周辺は小学生の通学路となっており、安全性の確保が急務。解体に先立ち、倒壊原因を究明するための現地調査が近く実施され、年内いっぱいかかる見込みという。

 倒壊ではビルに隣接する居酒屋が下敷きとなり、店主楠健二さん(56)の妻(48)と長女(19)が犠牲となった。輪島市などによると、ビル所有者から公費解体の申請が出ているが、楠さんが倒壊原因の調査を国や市に求めており、解体開始に向け調整が続いている。

 関係者によると、国土交通省などは外観や基礎部分などの調査を近く開始。調査結果を踏まえ、市が解体工事に乗り出す。調査は少なくとも年内いっぱいかかるため、本格的な解体着手は年明けになるとみられる。

 国交省は「原因究明には慎重に解体する必要がある」(同省幹部)との見解だ。