愛媛3人殺害、二審も無期 高松高裁

AI要約

愛媛県新居浜市で2021年、無職の河野智被告(56)が職場の元同僚とその両親の計3人を殺害した事件について、控訴審で高松高裁が一審判決を支持し、無期懲役とした。

弁護側は被告が被害妄想で心神喪失状態だったと主張したが、裁判長は被告の行為を生命軽視とし、量刑の重さを正当化した。

被告の犯行動機や精神状態などが論点となっている中、裁判所は被害妄想の有無にかかわらず、犯行の重大性を重視している。

 愛媛県新居浜市で2021年、職場の元同僚だった岩田健一さん=当時(51)=とその両親の計3人を殺害したとして殺人罪などに問われた無職河野智被告(56)の控訴審判決で、高松高裁は22日、無期懲役とした一審判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 弁護側は、被告が岩田さんから電磁波攻撃や盗撮をされ、心神喪失となって及んだ犯行であり、量刑は重すぎて不当だと主張していた。

 佐藤正信裁判長は主張を退け、被告は「心神耗弱状態で、被害妄想を抱いていた」と認定した一審判決を支持。「被害妄想を前提としても、生命軽視の度合いがはなはだしく、刑事責任が極めて重大」と非難した。