デブリ初採取、22日開始 数グラム、廃炉前進見通せず

AI要約

東京電力が福島第1原発2号機でデブリの取り出し作業を開始することが明らかになった。

デブリの取り出しは3号機では大規模な作業になる予定であり、具体的な計画や処分先は未定のままである。

作業は数年にわたって段階的に進められ、放射線防護のため慎重な対処が行われる。

 東京電力が福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の取り出しを22日に始めることが19日、分かった。関係者が明らかにした。2011年3月の事故後、デブリの採取は初めてで、数グラムの試験的取り出しを目指す。

 数年かけて段階的に規模を拡大し、30年代初頭に3号機で大規模な取り出しに着手する計画だが、1~3号機で推計880トンとされる全量をどう取り出すかや、取り出した後の処分先は決まっておらず、今回の初採取が、廃炉の具体的な前進につながるかどうかは見通せない。

 東電の計画では、原子炉格納容器の貫通部から最長約22メートルに伸びる伸縮パイプ式装置を差し込み、先端に取り付けた爪形の装置で3グラム以下のデブリをつかんで回収する。

 デブリは極めて強い放射線を出すことから、取り出し装置は接続装置や隔離弁で遮蔽し、開始から装置がデブリに到達するまで1週間程度、回収完了までには2週間程度を見込む。作業員の被ばくを抑えるため、デブリの放射線量を測定し、毎時24ミリシーベルトを超えた場合は格納容器内に戻す。