震災の記憶を後世に 福島・いわきで講座 中央台南中生ら 語り部に

AI要約

福島県いわき市の中央台南中の生徒らによる「中学生語り部講座」が開催された。生徒たちは東日本大震災と福島第1原発事故からの復興について自らの言葉で語った。

3人の中学生と1人の卒業生が過去の経験を元に震災と原発事故について感じたことを発表した。感想を述べた保護者や地域住民は、後世に伝える重要性を強調した。

被災地で生まれた生徒も参加し、家族の話を通じて当時の記憶を深めた。若い世代が自らのルーツと関わりを学び、伝えることの重要性について語られた。

震災の記憶を後世に 福島・いわきで講座 中央台南中生ら 語り部に

 福島県いわき市の中央台南中の生徒らによる「中学生語り部講座」は4日、市内のいわき震災伝承みらい館で行われ、生徒が自らの言葉で東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興について語った。

 発表したのは、いずれも同校2年生の鈴木結瑛(ゆえ)さん、新藤美花(みはな)さん、鈴木蒼空(あおい)さんの3人と、同校卒業生で磐城高1年の清水晶子(あきこ)さん。4人は昨年度、総合的な学習の時間などで震災や原発事故を学び、成果を動画にまとめた。動画の作成を通して感じたことや古里への思いなどを自分の言葉で直接発信しようと、今回の発表を決めた。

 津波被害を受けた同市薄磯で生まれた鈴木蒼空さんは、震災当時生後10カ月だった。その頃の記憶はあまり無いが、家族から話を聞いて津波の被害状況や避難生活などに理解を深めた。蒼空さんは「当時を知らない自分たちだからこそ震災の記憶を受け継ぎ、伝えていくのが大切だ」と強調した。

 保護者や地域住民らが聴講し、「震災の記憶が少ない世代がそれぞれのルーツや(震災と自分の)関わりのある部分を学び、発信してくれるのはうれしい」などと感想を述べた。