プロペラなし風車開発へ 衝突事故減らし猛禽類保護

AI要約

北海道釧路市の猛禽類医学研究所と東京のベンチャー企業が、プロペラのない風力発電機の開発を進めている。

猛禽類と風車の事故を減らすための取り組みや問題点を明らかにする。

垂直軸型マグナス式風力発電機の開発により、バードストライク事故の解決へ向けた可能性が示唆されている。

プロペラなし風車開発へ 衝突事故減らし猛禽類保護

 北海道釧路市の猛禽類医学研究所と東京のベンチャー企業「チャレナジー」が、国の天然記念物オジロワシなどが風車に衝突する事故「バードストライク」を減らすため、プロペラのない風力発電機の開発を進めている。昨年には保護ワシを使った実証実験に着手。「真に環境に優しい風力発電」は実現なるか。

 研究所によると、希少な猛禽類の事故は2000年から今年7月にかけ、道内で計91件確認されている。ただ代表の獣医師斉藤慶輔さんは「衝突が起きたらプロペラが止まるなど、すぐに検知できる仕組みがないと、被害全体を把握するのは難しい」と訴える。

 多くの事故は鳥が高速で回るプロペラに気付かずに起きている。研究所は視認しやすいようプロペラの先に色を塗るなどしたが、改良が必要だという。主な対策は立地の選定だが、風車の適地とオジロワシなどの生息域はほぼ重なっているのが実情だ。

 チャレナジー代表取締役の清水敦史さんが11年に開発を始めた「垂直軸型マグナス式風力発電機」は、風車が垂直方向の2本の円柱を備え、低速で回ることが特徴だ。