「巨大地震注意」お盆休みに出かけてもよい?専門家の見解は 『南海トラフ地震臨時情報』発表の条件や流れをあらためて確認

AI要約

8月8日、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、気象庁は南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を発表。

南海トラフ地震の想定震源域内での地震が条件となり、専門家の評価に基づいて警戒レベルが決定される仕組み。

現在の巨大地震注意から、警戒になる可能性や注意喚起の重要性についても説明されている。

「巨大地震注意」お盆休みに出かけてもよい?専門家の見解は 『南海トラフ地震臨時情報』発表の条件や流れをあらためて確認

 8月8日、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生。その後、気象庁は初めて『南海トラフ地震臨時情報』の「巨大地震注意」を発表しました。そもそも臨時情報とは?外出は控えるべき?専門家らへの取材などをもとに情報をまとめました。

 8月8日に初めて発表された『南海トラフ地震臨時情報』。これは、南海トラフ地震発生の可能性の高まりを知らせるもので、本格運用が始まったのは2019年です。

 臨時情報の対象となるのは、南海トラフ地震の想定震源域内で発生した地震で、今回の震源は宮崎県沖の日向灘でした。南海トラフとは駿河湾から九州東方沖の海底に存在する溝で、この内側で過去何度も大地震が起きています。

 臨時情報が出される条件は、南海トラフ地震の想定震源域で、(1)M6.8以上の地震が発生した場合、または、(2)「ゆっくりすべり」の異常が発生した場合です。今回は(1)に該当し、8日午後5時に『南海トラフ地震臨時情報(調査中)』が発表されました。

 その後、地震評価検討会による専門的な調査を経て、最短で2時間後に「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」のいずれかが発表されます。今回は8日午後7時15分に「巨大地震注意」が出されました。

 6人の有識者で構成される地震評価検討会では、世界標準の指標「モーメントマグニチュード」を使用し、次のように地震を評価します。

 (1)モーメントマグニチュード8.0以上=「巨大地震警戒」

 (2)モーメントマグニチュード7.0以上=「巨大地震注意」

 (3)モーメントマグニチュードや「ゆっくりすべり」の異常についていずれも該当せず=「調査終了」

 ・巨大地震警戒・・・少なくとも1週間、津波からの避難が間に合わない地域は事前避難

 ・巨大地震注意・・・少なくとも1週間、日ごろの備えを再確認

 ・調査終了・・・地震の発生に注意しながら通常生活

 では、現在の巨大地震注意から、巨大地震警戒になることはあるのか。京都大学防災研究所の西村卓也教授によりますと、南海トラフ地震の想定震源域内で新たな地震が発生し、それが条件に当てはまればあり得るということです。今出ている「注意」が、新たな地震が起きていないのに「警戒」になるということは運用上ないということです。また、巨大地震警戒も巨大地震注意も1週間後に“解除”とはなりません。