【全文】大規模地震「発生可能性が相対的に高まっている」気象庁が南海トラフ地震臨時情報発表 7日以内にM8クラスの地震発生は1437事例中6例

AI要約

気象庁は南海トラフ地震の可能性が高まっていると発表しました。

過去のデータから、今回の地震が大規模地震を予測させる理由があると述べています。

政府や自治体からの呼びかけに応じた防災対応が必要とされています。

【全文】大規模地震「発生可能性が相対的に高まっている」気象庁が南海トラフ地震臨時情報発表 7日以内にM8クラスの地震発生は1437事例中6例

気象庁は8日午後7時15分、「南海トラフ地震臨時情報・巨大地震注意」発表し、今回の地震が震源域の一部が破壊された一部割れケースに当たり南海トラフ巨大地震が発生する可能性が相対的に高まっていると判断した。以下が発表文の全文。

 

南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)

本日(8日)16時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。この地震と南海トラフ地震との関連性について検討した結果、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられます。今後の政府や自治体などからの呼びかけ等に応じた防災対応をとってください。

【本文】

本日(8日)16時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。その後の地震活動は活発な状態が続いています。また、ひずみ観測点では、この地震に伴うステップ状の変化が観測されています。

気象庁では、南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を臨時に開催し、この地震と南海トラフ地震との関連性について検討しました。

この地震は、西北西・東南東方向に圧力軸をもつ逆断層型で、南海トラフ地震の想定震源域内における陸のプレートとフィリピン海プレートの境界の一部がずれ動いたことにより発生したモーメントマグニチュード7.0の地震と評価されました。

過去の世界の大規模地震の統計データでは、1904年から2014年に発生したモーメントマグニチュード7.0以上の地震1437事例のうち、その後同じ領域でモーメントマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、最初の地震の発生から7日以内に6事例であり、その後の発生頻度は時間とともに減少します。

このデータには、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(モーメントマグニチュード9.0)が発生した2日前に、モーメントマグニチュード7クラスの地震が発生していた事例が含まれます。世界の事例ではモーメントマグニチュード7.0以上の地震発生後に同じ領域で、モーメントマグニチュード8クラス以上の地震が7日以内に発生する頻度は数百回に1回程度となります。

これらのことから、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられます。

南海トラフ地震には多様性があり、大規模地震が発生した場合の震源域は、今回の地震の周辺だけにとどまる場合もあれば、南海トラフ全域に及ぶ場合も考えられます。

最大規模の地震が発生した場合、関東地方から九州地方にかけての広い範囲で強い揺れが、また、関東地方から沖縄地方にかけての太平洋沿岸で高い津波が想定されています。

今後の政府や自治体などからの呼びかけ等に応じた防災対応をとってください。

気象庁では、引き続き注意深く南海トラフ沿いの地殻活動の推移を監視します。

※モーメントマグニチュードは、震源断層のずれの規模を精査して得られるマグニチュードです。気象庁が地震情報等で、お知らせしているマグニチュードとは異なる値になる場合があります。

※評価検討会は、従来の東海地域を対象とした地震防災対策強化地域判定会と一体となって検討を行っています。