大雨による浸水被害防止へ 奈良県2地区を「貯留機能保全区域」に指定 全国初

AI要約

奈良県が川西町と田原本町の田畑を増水時に水をためる「貯留機能保全区域」に指定したことを発表。

指定された地区では過去の豪雨で浸水被害が発生し、区域指定により土地所有者の義務や税金の軽減が決定。

行政と地元住民の協力が重要で、今後他の地域での指定も検討される方針。

大雨による浸水被害防止へ 奈良県2地区を「貯留機能保全区域」に指定 全国初

大雨による家屋などへの浸水被害を防ごうと、奈良県は30日、川西町と田原本町の計2カ所の田畑を増水時に水をためる「貯留機能保全区域」に指定したと発表した。同区域への指定は令和3年の制度創設以来、全国初となる。

指定されたのは、川西町唐院(とういん)地区(約3・7ヘクタール)と田原本町西代(にしんだい)地区(約11・6ヘクタール)。ともに過去の豪雨では、隣接する川が増水し周辺地区で浸水被害が発生するなどしている。

区域指定により、土地の所有者が水をためることを妨げる盛土や構造物の設置を行う際は、県への届け出が必要となる。一方で区域指定を受けた土地では、固定資産税などが指定後3年間軽減される。

この日県庁で行われた記者会見には、山下真知事と川西町の小沢晃広町長、田原本町の高江啓史町長が出席。山下氏は「地元住民の協力を得て官民が一体となって氾濫防止に努めることが制度の意義だ」と説明。小沢氏は「まずは今回が一歩目で、他の地域での指定に向けての動きを始めている」とし、高江氏は「上流から下流まで全ての自治体が思いを共にして取り組みを進めたい」と展望を述べた。