家に108本の白バラも…1 千万円だまし取られた女性「気づけばファンになっていた」

AI要約

奈良県内で交流サイトを悪用した投資詐欺やロマンス詐欺の被害が相次いでいる。

ロマンス詐欺被害者は巧妙な手口に引っかかり、現金1千万円以上をだまし取られた。

被害者はSNSで知り合った相手に感情移入し、資産運用を持ちかけられるなど信じ込んでしまった。

家に108本の白バラも…1 千万円だまし取られた女性「気づけばファンになっていた」

奈良県内で交流サイト(SNS)を悪用した投資詐欺や、恋愛感情を抱かせて金をだまし取るロマンス詐欺の被害が相次いでいる。ロマンス詐欺で現金1千万円以上をだまし取られた同県平群町の50代女性がインタビューに応じ、「絶対に引っかからないと思っていたが本当に巧妙だった」と手口を振り返った。

《この写真はどこで撮りましたか》。今年4月ごろ、女性のインスタグラムに女性が投稿していた風景写真に対する質問が届いた。

送り主のプロフィールは40代男性と書かれていたが、投稿されていた写真を見る限りでは30代にも感じた。返信すると、たどたどしい日本語の文章が返ってきた。女性は「50歳も過ぎていますが、それでも良かったらお話しくらいは」と応じてやりとりが始まった。

相手は日本生まれの母と外国生まれの父のハーフで、兵庫県明石市で貿易関係の企業の役員を務めていると説明した。女性はLINEの登録を促され、やりとりはLINE上で続いた。送られてくるのは、モデルのように街を歩いたり豪華な食事をしていたりと、セレブのような写真や動画だった。

《気にかけてくれてありがとう》《君が愛しい》《愛している》-。最初は1日1回くらいでやりとりしていたが、次第にその優しい言葉に魅了されるようになっていった。「気付けばファンのようになっていた。リアルでないから、ここまで感情が揺さぶられたのかもしれない」と女性は振り返る。

最初の連絡から3週間ほど経過したころ、やりとりに変化が生まれてきた。《ブランド品に興味はありますか?》。女性がブランド品より車が好きだと答えたところ、《お金を考えずに好きなものを自由に買える生活が良くないですか?》と返事があった。続けざまに「日本国も推奨している運用」だとして、資産運用を持ちかけてきた。

女性は案内されたアプリをインストールし、言われるがままに10万円を預けた。数日後、アプリを確認すると、画面に表示された金額は数万円増えていた。「もし100万円投資したら…」。実態はアプリ上で偽の金額が表示されているだけだったが、完全に信じ込んでいた。

たたみかけるように、《モデルルームを見てきた》《どういう庭にしたいですか》など、2人で生活することを匂わせるような連絡も届くようになり、自宅に108本の白いバラが贈られてきたこともあった。