輪島塗、日差しに樹液当て漆精製 地震被災工房が伝統作業

AI要約

石川県輪島市の輪島塗の製作販売会社である大徹八井漆器工房では、能登半島地震で倒壊した作業場の代わりに仮設工房で漆器製作が続けられている。

23日、伝統作業の「天日黒目」が行われ、漆の樹液が日差しに当てられ、茶褐色に変化していく様子が見られた。

八井汎親会長は、全国からの支援を受け、伝統を守りながら復興に向けて努力している。

 能登半島地震で被災した石川県輪島市の輪島塗の製作販売会社「大徹八井漆器工房」で23日、漆の樹液を日差しに当て、余分な水分を飛ばして精製する「天日黒目」と呼ばれる伝統作業が行われた。同社は作業場が地震で倒壊し、市内の仮設工房などで漆器の製作を続けている。

 強い日差しの中、倒壊した作業場の前に置かれた黒いおけに薄茶色の樹液5キロが流し込まれ、八井汎親会長(86)らが交代で「櫂」と呼ばれる棒状の道具でゆっくりとかき混ぜた。樹液は次第に茶褐色へと変化した。

 八井会長は「地震後、全国から再生してほしいと手紙をいただいたことが力になった。伝統を続けていき、復興の足掛かりにしたい」と話した。