藤堂藩の歴史感じる城下町ホテル 古民家活用の5棟目、8月開業

AI要約

三重県伊賀市中心部の古民家などを活用した分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 伊賀上野城下町」の5棟目として、「NOZAKI」が営業を始める。

「NOZAKI」は元藤堂藩の上級武士の下屋敷跡で築山と池のある広大な庭を持ち、サウナや屋内風呂などの設備が整っている。

「NOZAKI」は分散型ホテル2期事業の最後の棟で、1棟貸しのホテルで最大8人が泊まれる。

藤堂藩の歴史感じる城下町ホテル 古民家活用の5棟目、8月開業

 三重県伊賀市中心部の古民家などを活用した分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 伊賀上野城下町」の5棟目として、同市上野田端町の空き家を改修した「NOZAKI」が8月10日、営業を始める。元藤堂藩の上級武士の下屋敷跡で築山と池のある広大な庭を客室から眺められる。NOZAKIの開業で分散型ホテル2期事業の整備が終わり、1期と合わせて同ホテルは5棟14室になった。【大西康裕】

 「NOZAKI」は下屋敷の主の名の「野崎新平」に由来する。敷地面積は5114平方メートル。このうち約200平方メートルが木造平屋の建物。庭には木々が茂り、築山と池が上級武士の別邸らしさを感じさせる。

 蔵はサウナに改造され、屋外浴槽に入って身体を「整える」ことができる。宿泊棟として改修された主屋は昭和50年ごろの建築だが、天井裏に隠されていた太く曲がった木材を見えるようにして、その下がリビング・ダイニング。屋内に風呂が三つある。1棟貸しのホテルとし、最大8人が泊まれる。1泊2食で1人10万円。伊賀市によると、「NOZAKI」の土地、建物は現在、野崎家とは別の個人が所有し、伊賀市も出資し分散型ホテルを手がける「NOTE伊賀上野」が借りた。同社が宿泊施設に改修し、傷んでいた庭も修復した。同社は「敷地から歴史が感じられる」とPRする。

 1棟貸しのため「NOZAKI」は1棟1室と数える。3月から伊賀市上野中町で江戸時代末の古民家を改修し3室で営業している宿泊施設(その後名称が「NOMATSU」に決定)と合わせ2棟4室が2期事業で完成した分散型ホテル。2期事業に対しては百五銀行と民間都市開発推進機構が出資したファンド(アセットリノベーションファンド)からの投資、日本政策金融公庫からの融資があり、NOTE伊賀上野は資金を調達、伊賀市からの補助金も得て同社が2期事業を行った。

 2020年11月から順次稼働が始まった1期事業の3棟10室は通算の稼働率約40%で年間3000人が宿泊しているという。