認知症女性から現金詐取容疑で再逮捕 「アポ電」で金庫の現金把握か

AI要約

警視庁が準詐欺容疑で不動産売買契約詐欺の犯人を逮捕した。犯人は認知症の高齢者を狙い、7億円超をだまし取った疑いがある。

犯人は80代の認知症の女性に1400万円の契約金を詐取し、購入価格の4倍でアパートを売りつけた。女性は一人暮らしで、犯人らは自宅訪問で契約を結び、契約額を変更していた。

捜査では、犯人らの営業活動記録に家族の頻繁な訪問や警戒態勢を見ると契約しないようにしていたことが明らかになり、家族の定期的な様子見が抑止力になる可能性がある。

認知症女性から現金詐取容疑で再逮捕 「アポ電」で金庫の現金把握か

 認知症の高齢者に不動産売買契約を結ばせて現金を詐取したとして警視庁は16日、職業不詳の山崎和馬容疑者(41)=東京都豊島区=ら3人を準詐欺容疑で再逮捕し、発表した。「インターネット不動産販売」(東京都板橋区)の従業員を名乗り、認知症の高齢者らから少なくとも7億円超を売り上げたとみている。

■「アポ電」で認知症と気づく 契約額も変更

 捜査2課によると、3人は神奈川県内の認知症の80代女性に相模原市のアパートの一室を共同所有する不動産売買契約を結ばせ、2022年6月に女性宅で1400万円受け取り、だまし取った疑いがある。認否は明らかにしていない。アパートの一室を購入価格の約4倍で女性に売っていたという。

 女性は一人暮らし。山崎容疑者らは資産状況を尋ねる「アポ電」をし、2回目の自宅訪問で契約を締結していた。契約書は、契約額が700万円から1400万円に修正されていたという。同課は、男らがアポ電の段階で認知症に気づき、女性宅の金庫に現金があることを把握し、額を変更した可能性があるとみている。

■「家族の様子見が抑止力を高める」

 同課が押収した営業活動記録などには、一人暮らしでも家族が頻繁に訪問していたり、玄関先で警戒されたりすれば「NG」といった記述があったという。捜査幹部は「知らない人を自宅に入れず、家族が定期的に様子見に来ることが、抑止力を高める」と話す。

 山崎容疑者らは不動産会社「N-Nine」(豊島区)と名乗っていたこともあったといい、同課は別の社名でも同様の行為をしていた可能性があるとみて調べる。(福冨旅史、三井新)