『死をもって抗議する』 知事の「パワハラ疑惑」を告発 死亡した元県幹部職員 証拠とみられる「音声データ」など残す 「真実を解明してほしい」託された遺族が百条委に提出

AI要約

元幹部職員が兵庫県の斎藤知事のパワハラ疑惑を告発し、自殺をもって抗議するメッセージを残していたことが明らかになった。

告発文の内容が真実であることが判明し、百条委員会が設置される中、元幹部職員は出頭予定だったが、自殺で委員会への出席が叶わなかった。

遺族が残された陳述書や音声データを百条委員会に提出し、真相究明を求めている。

『死をもって抗議する』 知事の「パワハラ疑惑」を告発 死亡した元県幹部職員 証拠とみられる「音声データ」など残す 「真実を解明してほしい」託された遺族が百条委に提出

兵庫県の斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発した元幹部職員が「死をもって抗議する」というメッセージとともに、出席できない百条委員会に向け、陳述書や疑惑にまつわる音声データを残していたことが分かった。

ことし3月、元西播磨県民局長(60)は、斎藤知事のパワハラ行為などを告発する文書を一部の報道機関などに配布した。

しかし、斎藤知事は当初「業務時間中に『嘘八百』含めて、文書を作って流す行為は公務員失格です」と語り、県は内部調査の結果、告発文は『事実無根』だとして、元県民局長を停職3カ月の懲戒処分とした。

その後、告発文に書かれていたコーヒーメーカーの贈答について幹部(55)が企業から受け取っていたことが判明。

さらに、知事も公務中に20メートル歩かされて職員を厳しく叱責したことなどを会見で認めるなど、告発文の内容が知事の言う「嘘八百」でないことが明らかになり、議会で内容の真偽を確かめるための強い調査権を持つ『百条委員会』が設置された。

7月19日の委員会に証人として出頭する予定だった元県民局長は、関西テレビが3日に取材した際、「質問されるのが嫌だ、つらい」という状態ではなく「覚悟している」と話していて、出頭後には報道陣の取材を受けることも検討すると証言に前向きな姿勢を見せていた。

そんな中、7日に元県民局長が姫路市内で死亡しているのが見つかった。 自殺とみられている。

関係者によると、元県民局長は「死をもって抗議する」という趣旨のメッセージとともに、百条委員会に出頭できない代わりに、疑惑の根拠となる情報源や、具体的な日時や場所などを記した陳述書を残していたということだ。

さらに、知事が公務中、県内の自治体のトップに対し、「私も飲みたいです」などと酒をねだったとみられる場面を録音した音声データも残していたことが分かった。陳述書と音声データを託された遺族は「真実を解明してほしい」として、12日、百条委員会に提出したということだ。