自民支持層も「石破1強」 次期総裁候補◆時事7月調査 知事、都議補選の分析【解説委員室から】

AI要約

時事通信社の7月世論調査によると、自民党総裁候補人気で石破茂氏がトップとなり、小泉進次郎氏が2位につけている。

裏金事件の影響もあり、石破氏の支持率が急上昇しており、自民党支持層の中でも高い支持を獲得している。

他の候補は支持を減らす中、石破氏の人気は増加しており、次期衆院選に向けた展望が注目されている。

自民支持層も「石破1強」 次期総裁候補◆時事7月調査 知事、都議補選の分析【解説委員室から】

 時事通信社の7月世論調査によると、自民党総裁にふさわしい国会議員の1位は石破茂元幹事長で22.1%、2位は小泉進次郎元環境相の10.9%。石破氏は同趣旨の質問をした前回3月調査(18.6%)から支持を伸ばし、小泉氏(12.1%)との差を広げた。自民支持層では石破氏の支持はさらに高い。7日投開票された都議補選の惨敗により、党内で次期衆院選への危機感が高まる状況下、人気では「石破1強」になりつつある。(時事通信解説委員長 高橋正光)

 ◇2位小泉氏、上川氏は失速

 調査は全国18歳以上の2000人を対象に個別面接方式で5~8日に実施。有効回収率は58.4%。

 今回の調査で、3位は菅義偉前首相の5.2%。以下、河野太郎デジタル相5.1%、高市早苗経済安保相4.0%、岸田文雄首相3.2%、上川陽子外相3.1%の順。茂木敏充幹事長は1.1%と続く。

 自民党支持層に限ってみると、石破氏は26.2%で全体の数値よりも高い。2位は小泉氏(10.7%)で変わらないが、3位は河野氏(9.6%)で、菅氏(5.9%)と順位が入れ替わった。

 前回との比較では、上位で支持を伸ばしたのは石破氏だけで、他の各氏は減らした。特に、前回5.9%で、河野氏(6.4%)に次いで4位だった上川氏の落ち込みが目立つ。

 ◇裏金事件が追い風

 時事世論調査では、同様の質問を2023年12月調査でも行っている。政治資金規正法違反容疑(収支報告書への虚偽記載)で東京地検特捜部が、安倍、二階両派の事務所などに家宅捜索に入る直前で、その時のトップ3は、小泉氏16.0%、石破氏15.0%、河野氏8.8%の順。裏金事件の実態解明や関係者の処分、政治資金の透明化や再発防止に向けた規正法の改正などを経て、有権者の支持が石破氏に集まりつつあることを示している。

 石破氏に関しては、前回、前々回とも、全体の支持と自民支持層の支持は同水準。今回、自民支持層が全体を4.1ポイント上回ったのが特徴だ。忖度なしの発言などで、国会議員の間では不人気だが、裏金事件に対する自民支持者の怒りが、石破氏の人気を押し上げたようだ。