「自分らのことは自分で」高台の防災倉庫や街頭の防災カメラも 水害を教訓に住民が一丸で備える地区 三重 

AI要約

三重県紀宝町の住民が過去の水害を教訓にして備えている取り組みについて紹介。

13年前の記録的な豪雨で被害を受けた地区が高台に移動し、災害時の備えを行っている。

防災カメラの設置や倉庫には必要な物資を備蓄、住民が自らの命を守るための取り組みを行っている。

「自分らのことは自分で」高台の防災倉庫や街頭の防災カメラも 水害を教訓に住民が一丸で備える地区 三重 

雨が多い、この時期に知っておきたいニュースです。

三重県紀宝町に過去の水害を教訓にして、住民が一丸となって備えている地区があります。その取り組みとは。

今から13年前の2011年9月、紀伊半島を襲った記録的な豪雨。

死者・行方不明者、合わせて88人にのぼる大きな被害が出ました。

(紀宝町鮒田地区 東口高士 区長)

「まさか、まさかと。約70%の住宅が2階までつかった」

こう振り返るのは約230人の住民が暮らす、紀宝町鮒田地区の東口高士区長(74)。

(紀宝町鮒田地区 東口高士 区長)

「自分らのことは自分で考えて、自分で命を守らなければ。1分、2分で違うと思った」

ここは、13年前の紀伊半島豪雨をきっかけにつくられた高台。

■住民が自ら作った「仮設トイレ」も

海抜20メートルの場所には倉庫が3つ設置され、中には発電機やご飯を炊く釜、さらに住民が自ら作った仮設のトイレも備蓄されています。

(紀宝町鮒田地区 東口高士 区長)

「これも自分らで用意した」

いざという時の水源として、山水を引いて確保。

また、別の倉庫では住民が各々用意した個人の衣類などが保管され、管理は名前と電話番号がひも付けられたQRコードで行っています。

(紀宝町鮒田地区 東口高士 区長)

「町が3分の1、自分も3分の1、区も3分の1。必要な物を置いたら100%に。一年一年積み重ね、一度にはできない」

行政機関に頼り切るのではなく、自分たちで備えることを強く意識しています。

この地区の備えは他にも…。

■24時間態勢で街の様子を確認できるように

(紀宝町鮒田地区 東口高士 区長)

「あれがカメラ。水害のためのカメラ。スマホでも見られるように」

鮒田地区を流れる熊野川の水位をリアルタイムで監視できる「防災カメラ」が設置されています。

他にも地区内の住宅や商店など10か所にカメラを設置し、スマートフォンを使い24時間態勢で街の様子を確認できます。

(紀宝町鮒田地区 東口高士 区長)

「あの島が水で隠れるか隠れないかが基準」

13年前の豪雨の際、避難所として指定されていた集会所は水浸しに。