なぜ、ヤッホーブルーイングは熱狂的ファンが多い? 独特すぎる「マーケ術の凄み」

AI要約

最近はファンマーケティングやファンコミュニティーの重要性が高まっており、企業がファン獲得に注力している。

ファーストフォロワーとはサービスを熱烈に支持する最初のファンであり、新たな顧客を獲得する際に重要な役割を果たす。

ファーストフォロワーはリーダーと2番目以降のフォロワーとの関係性を通じて、企業の価値を発見し、伝える役割を担っている。

なぜ、ヤッホーブルーイングは熱狂的ファンが多い? 独特すぎる「マーケ術の凄み」

 近年は「ファンマーケティング」や「ファンコミュニティー」の重要性が認識され、ファン獲得に取り組む企業も増えています。たとえばヤッホーブルーイングは、多くの熱狂的ファンに根強く支持されており、同社の企画や取り組みには大きな注目を集めています。そこで今回、ビジネスを成長させるために必要な「ファーストフォロワー」について、ヤッホーブルーイングの外部スタッフ「エア社員」にも就任したトライバルメディアの高橋 遼氏に、著書『ファーストフォロワーのつくりかた』(翔泳社)を再構成して解説してもらう。

 「ファーストフォロワー」とは、そのサービスが好きで応援してくれるファンを指します。初期段階でその製品やサービスの魅力に気づき、熱狂的なファンとして振る舞った最初のフォロワーは、時に信じられないほど多くの顧客を連れてきます。これらのファーストフォロワーはどのように行動し、どのようなプロセスを経てさらなる顧客を生み出すのでしょうか。

 この「ファーストフォロワー」という存在の解像度を上げるために、TEDの動画を紹介します。この動画では、音楽に合わせて踊っている男性が周囲から浮いた存在になっている中、1人の男性(最初のフォロワー)が踊りに加わり、徐々に人数が増えて、最終的には傍観している人が浮いた存在のように見える、という事象を解説しています。

動画の吹き出しボタンより日本語字幕を表示できます

 このストーリーを構造的に整理してみると、図1の4つのステップに分けることができます。

 図1のプロセスにおいて、ファーストフォロワーが大きく関与しているのは、主に「Step1」→「Step2」と、「Step2」→「Step3」にかけての変化です。そして、それぞれのステップで変化を生み出しているのは、「リーダーとファーストフォロワーとの関係性」と「ファーストフォロワーと2人目以降のフォロワーとの関係性」によるものです。

 このプロセスを見ると、ファーストフォロワーはリーダーに追随して価値を受け取るだけの存在ではなく、その体験の価値を他者に伝え、仲間を呼び込む役割を担っていることが分かります(図2)。

 つまり、ファーストフォロワーは企業を応援してくれる存在にとどまらず、企業と共に価値を「見つける」、さらにその価値を「伝える」という2つの役割を担い、ビジネスに貢献してくれるのです。