地震から半年 国道の通行止めは今も 救援を遅らせる道路寸断 南海トラフ地震で起きる孤立への備えは

AI要約

能登半島地震では、大規模な土砂崩れが発生し、道路が寸断されるなど影響が残る状況となっている。

南海トラフ地震の発生に備えて、和歌山県白浜町では孤立への警戒を強め、避難所や備蓄物資の準備を進めている。

関西テレビの報道デスクは、半島振興法の期限延長を求める動きがあることを紹介し、地域のインフラ整備の重要性を指摘している。

地震から半年 国道の通行止めは今も 救援を遅らせる道路寸断 南海トラフ地震で起きる孤立への備えは

能登半島地震では、多くの場所で大規模な土砂崩れが発生しました。半年たった今も、崩れた土砂が流れ出しそうな状況で残っています。

大規模な土砂れの影響で、各地の道路が寸断されました。輪島市と珠洲市を結ぶ国道は、半年たった今も通行することができません。

石川県全体では一時3000人以上が孤立。「孤立集落」の問題は救援活動の遅れにもつながりました。

専門家は、南海トラフ地震などが発生すれば関西でも起きうる問題だと指摘します。

【京都大学防災研究所・矢守克也教授】「例えば紀伊半島は、能登半島に比べて巨大ですが、土砂災害で高速道路は大丈夫なのか。海辺を通る国道は津波で被害がすでに予想されているし、孤立する集落はたくさんある」

その紀伊半島で、「孤立」への警戒を強める地域の1つが、和歌山県白浜町です。

【記者リポート】「白浜町の椿地区です。こちらの道路が地震で分断されると、孤立地域になる可能性があります」

沿岸部の椿地区では、南北を通る国道が土砂崩れや液状化などで寸断されると、救助や支援が届かなくなる恐れがあります。

【椿地区に住む人】「孤立は絶対すると思う。(Q不安は?)その時、その時で対応しないと仕方ないんじゃないかな」

【椿地区に住む人】「いっている間に(地震が)来ると思うので、ちょこちょこ話を(家族と)話しています」

白浜町では孤立も見据えた準備をすでに始めています。

【白浜町担当者】「避難所を開設する時に、備蓄しているものを置いている倉庫です。住民で1日分備蓄をお願いしていて、さらに県の備蓄を合わせて3日分。3日たてば県外からの緊急輸送ルートで支援物資が届くという計画をしています」

しかし、南海トラフ地震で望ましいとされる備蓄はおよそ1週間分。

町が準備できる量には限界があることから、住民に対し7日分の備蓄の確保を呼びかけています。

関西テレビ・加藤さゆり報道デスクは、孤立集落が出ないような対策について、次のような指摘をしました。

「半島振興法という法律があります。半島地域に住む住民が孤立しないように、自治体が計画を出して、国がインフラ整備の支援をするという法律なのですが、これが来年3月末で期限を迎えてしまうということで、自治体からも国に対して、要望延長の要望を出しているところです」

災害時には、地域の課題が浮き彫りになります。能登の現状は、日本全体の課題を示しています。