法解釈変更は「黒川氏のため」 元検事長の定年延長問題、大阪地裁が認定

AI要約

黒川弘務氏の定年延長を巡る訴訟において、国の決定が一部取り消され、文書開示が認められた。

検察官の定年に関する法解釈変更が黒川氏の定年延長を目的として行われたことが裁判で示された。

黒川氏は賭けマージャン問題を受け、2年5月に辞職した。

法解釈変更は「黒川氏のため」 元検事長の定年延長問題、大阪地裁が認定

東京高検検事長だった黒川弘務(ひろむ)氏=辞職=の定年を延長した令和2年1月の閣議決定を巡り、当時の法務省内の検討記録を不開示とした国の決定の取り消しを神戸学院大の上脇博之(ひろし)教授が求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であり、徳地淳裁判長は一部決定を取り消し、文書開示を認めた。

判決などによると、当時の検察官の定年は改正前検察庁法で63歳(検事総長は65歳)と定められ、政府はそれまで国家公務員法の定年延長規定について「検察官には適用されない」との見解を示してきたが、2年1月に法解釈を変更。同月31日、7日後が定年だった黒川氏への適用が閣議決定された。

訴訟で国側は、法解釈変更を示す文書の存在を認めつつも「解釈変更は黒川氏のためではない」との理由で開示請求の対象ではないと主張。しかし判決は、黒川氏の定年間際に急遽(きゅうきょ)、法解釈が変更されたことなどから、変更理由は「黒川氏の定年延長が目的だ」と結論づけた。

上脇氏側は、定年延長の目的は「安倍晋三政権が重用する黒川氏を検事総長にするためだった」と主張し、法務省と官邸側とのやり取りについても開示を求めたが、そうした文書の存在は証拠上、認められないとした。

黒川氏は2年5月に自身の賭けマージャン問題を受けて辞職した。