議長は病気療養中なのに、文書が「極めて短時間で公印付きで届いた」…市長「捏造発言撤回考えていない」

AI要約

宮崎県延岡市の今春の市議会事務局長の人事に関する問題で、市長と市議会議長が異なる職員を内示し、市長が文書を捏造だと述べるなどのやり取りが行われた。

市長は議長名で提出された人事文書に疑念を示し、撤回を考えていないとしている。議員からは撤回を求める声も上がっている。

市長と議長の意見の相違から問題は深刻化し、最終的に市長が自身の内示を取り消す異例の展開となった。

 宮崎県延岡市の今春の市議会事務局長の人事で、読谷山洋司市長と当時の市議会議長がそれぞれ異なる職員を内示した問題に絡み、26日の市議会一般質問で市長の発言を巡る質疑があった。市長は当時、議長名で自身宛てに提出された人事に関する文書を「捏造だと思う」と発言し、議長以外の人物による文書の可能性を示唆した。この日の答弁でも発言に問題はないとの見方を示し、「撤回は考えていない」と述べた。

 一般質問をしたのは共産党の平田信広議員で、文書について「議長本人が自分の文書と言っている。事実に基づかない発言だ」として撤回を求めた。

 読谷山市長は、3月に議長との間で複数回にわたり交わした文書のうち、同月13日付で受け取った議長名の文書に、「議長に権限のない(市長部局の)職員の人事を発令するとなっていた」と指摘。「議長が地方自治制度を知らないはずはないので捏造と思わざるを得ない」と述べた。

 さらに、議長からの別の文書が「極めて短時間のうちに公印付きで届いた」とし、当時病気療養中の議長に公印を押すことができたのかとの疑問を呈し、文書を作成した経緯を調査し報告するよう議会に注文した。

 この問題では市長と議長の話し合いも行われたが、議論は平行線をたどり、最終的に4月1日の発令日直前になって、市長が自身の内示を取り消すという異例の経過をたどった。