博多女性刺殺の被害者母「胸に穴が開いたようだ」「孫娘は今もショックで学校に通えず」…意見陳述書

AI要約

福岡市博多区のJR博多駅前で昨年1月、元交際相手の女性を刺殺したとして、住所不定の無職の男が裁判で懲役30年を求刑される事件が裁判された。

被告の犯行は残忍極まりなく、遺族は愛する家族を無くし、厳しい処罰を望んでいる。

被害者はシングルマザーであり、勤務とアルバイトをしながら娘を育てていた。娘は事件後も学校に通えておらず、遺族の悲しみは深い。

 福岡市博多区のJR博多駅前で昨年1月、元交際相手の女性(当時38歳)を刺殺したとして、殺人罪やストーカー規制法違反などに問われた住所不定、無職寺内進被告(32)の裁判員裁判の第5回公判が24日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であった。検察側は論告で「強固な殺意で残忍極まりない一片の慈悲もない犯行」として、懲役30年を求刑。弁護側は同法違反については無罪を主張し、結審した。

 論告に先立ち、検察側が川野さんの母親の意見陳述書を代読し、愛する家族を失った遺族の心情が吐露された。

 川野さんはシングルマザーとして両親と娘と同居。平日は人材派遣会社で勤務し、週末は飲食店でアルバイトをしながら娘を育てていたという。母親は「毎日働いて(生活を)支えてくれた。思い出も、もう作ることができず、胸に穴が開いたようだ」と述べた。川野さんの娘について「今でもショックで学校に通えておらず、不憫でならない」と打ち明け、寺内被告については「厳しい処罰でないと、ストーカーによる悲しい事件は防げない。極刑を望む」と訴えた。