東京都知事選挙の掲示板すでに「満杯」…継ぎ足すスペース確保、職員「間に合わない」悲鳴も

AI要約

東京都知事選の告示が迫り、立候補者が過去最多の見込みでポスター掲示スペースが不足している状況。

世田谷区ではポスター掲示板が48枚までしか設置できず、候補者数が枠を超える可能性がある。

区選管は増設の準備を進めており、公平な選挙活動のために作業を急いでいる。

 今月20日に告示を迎える東京都知事選(7月7日投開票)は、立候補者が過去最多だった前回2020年の22人を大幅に上回ると見込まれている。各地の選挙管理委員会は候補者の選挙ポスターを貼る掲示板の設置を進めているが、担当者はポスターを貼るスペースが不足しないかと気をもんでいる。(神園真由美)

 都内最多の有権者約77万人を抱える世田谷区では10日から、区内897か所でポスター掲示板を据え付ける作業が行われている。作業は告示3日前の17日に完了する予定だが、区選管の担当者の表情はさえない。

 掲示板は縦3列、横16列の枠があり、48枚までポスターを貼ることができる。一方、立候補に必要な書類を確認する都選管の事前審査を終えた人は13日時点で48人。全員が立候補するとは限らないが、告示日に向けて事前審査を受ける人はさらに増える見通しで、掲示板はすでに「満杯」だ。

 候補者が想定の48人を超えれば、枠を確保するため、掲示板を継ぎ足す必要がある。区選管ではあらかじめ、掲示板の下部に継ぎ足せる分のスペースを確保しており、いざという時に備え、設置業者と増設に向けた打ち合わせを始めている。

 ただ告示まで1週間を切り、職員からは「安価で大量に入手しやすいプラスチック板を購入し、職員も手分けして備え付けないと間に合わない」と悲痛な声も聞かれる。区選管事務局の織田健一次長は「掲示板は公平な選挙活動に必須だ。48人を超える事態になっても、候補者の考えが有権者に伝わるように一刻も早く作業を完了させる」と話す。

 候補者の氏名や写真が載る選挙ポスターは、有権者が投票先を決める判断材料となる。公職選挙法は、国政選と知事選で選挙ポスター掲示板を設けることを区市町村選管に義務づけている。都知事選を管理する都選管は昨年秋頃、前回選と同じ30人分のポスターが貼れる掲示板を計約1万4200か所に設置するよう都内の各区市町村選管に指示した。