光ファイバーケーブルで鳥島近海の津波の観測に成功 観測網少ない海域の強化に期待
光ファイバーケーブルを使用した津波観測が成功し、2023年の太平洋側で観測された津波の様子を捉えることができた。
海洋研究開発機構が高知県沖の海底に設置したケーブルで、津波がおよそ60キロの沖合から陸地に迫ってくる様子を観測した結果を発表。
ケーブルによる観測は世界で2例目であり、将来的に津波の観測網の拡大につながる成果が期待されている。
海底の光ファイバーケーブルが津波の観測に一役買うかもしれません。
2023年に太平洋側で観測された津波について、高知県の沖合60キロから陸地に迫ってくる様子を捉えたとする研究結果が示されました。
2023年10月、伊豆諸島の鳥島の近海で津波が発生し、一時、太平洋側で広く津波注意報が出されました。
この津波について、海洋研究開発機構は今月6日、高知県沖の海底に設置した光ファイバーケーブルで、津波がおよそ60キロの沖合から陸地に迫ってくる様子を捉えられたとする研究結果を発表しました。
ケーブルによる観測は世界で2例目で、速さなども分かったということです。
一般の通信用のケーブルの一部でも観測できることから、将来的に津波の観測網が少ない日本海側でも観測の拡大につながる成果だとしています。
現在は津波の高さを推定する手法を開発しているということで、研究員の利根川貴志さんは「実用化を進めれば、『線』で観測して、沖合からどのように迫ってきているかをリアルタイムで見られる可能性がある」と話しています。
画像:津波の発生源に近い伊豆諸島・鳥島
撮影:海上保安庁