空自で男性自殺、国に100万円の賠償命令…パワハラ相談に適切に対応せず安全配慮義務に違反

AI要約

航空自衛隊小松基地で勤務していた男性が上司のパワーハラスメントが原因で自殺し、母親が国に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は国に賠償を命じた。

判決では、上司による指導は業務上の必要性があったが、相談を受けた別の上司が適切に対応しなかったことが問題視された。

適応障害で休職経験がある男性の不調について具体的な確認がなされなかったことが安全配慮義務違反と認定された。

 航空自衛隊小松基地(石川県)で勤務していた男性(当時31歳)が2018年に自殺したのは上司のパワーハラスメントが原因などとして、男性の母親が国に2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は国に100万円の賠償を命じた。大寄麻代裁判長は上司のパワハラを否定する一方、「相談を受けた別の上司が適切に対応しなかった」と指摘した。

 5月31日付の判決は、上司による男性への指導は業務上の必要性があったと判断した。一方、男性から「正直もう限界です」と相談された別の上司については、男性が過去に適応障害で休職していたことを把握していたのに、身体的、精神的な不調の内容を具体的に確認せず、安全配慮義務に違反すると認定した。