専門家「ワクチンから逃れやすい」コロナ感染再拡大 新たな変異株『KP.3』とは 下痢があり味覚障害少なく

AI要約

新型コロナの感染が再び拡大しており、ワクチンが効きにくい新たな変異株「KP.3」が原因で重症化リスクが高まっている。

名古屋市南区の「はざま医院」では、新型コロナ患者が急増しており、特に7月16日には12人中6人が陽性だった。

「KP.3」はアメリカで流行し、感染者数が増加しており、ワクチン効果が弱く、重症化リスクが高いとされている。

専門家「ワクチンから逃れやすい」コロナ感染再拡大 新たな変異株『KP.3』とは 下痢があり味覚障害少なく

 新型コロナの感染が再び拡大しています。原因となっている新たな変異株「KP.3」はワクチンが聞きにくく、重症化しやすいため、注意が必要です。

 名古屋市南区の「はざま医院」には7月16日、咳や喉の痛み、発熱などの症状を訴える患者が多く訪れました。

 はざま医院では、6月中旬ごろから新型コロナの患者が増えてきたといいます。7月16日の午前中、新型コロナの疑いで検査した患者は12人、そのうち6人が陽性でした。

はざま医院の伊藤伸介院長:

「6月中旬ぐらいから増えてきておりますね。それまでは1日1人いるかいないかでしたけど、現在だと4~5人陽性者が出ていますね」

 新型コロナ感染の再拡大には、新たな変異株が影響しているといいます。

伊藤伸介院長:

「オミクロン株の派生型だそうですけど、下痢があるかなというところと、味覚障害の発症がちょっと少ないかなと思います」

「オミクロンKP.3」はオミクロン株の一部の新系統で、6月に入って全国的に感染が拡大しています。

 林官房長官も感染拡大に言及しました。

林芳正官房長官:

「今後、夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性があると認識しております」

 新型コロナ感染再拡大の原因となっている変異株「KP.3」。ウイルスを解析する名古屋市衛生研究所に「KP.3」について聞いてみると…。

名古屋市衛生研究所の柴田伸一郎部長:

「患者さんの数は週を追うごとに増えているという状況です。『KP.3』はアメリカでちょっと前に流行していて、インバウンドで海外からの外国人旅行者も多い状況で、いずれは入ってくるだろうなと思っていたので」

 名古屋市では6月中旬ごろに初めて「KP.3」を検出し、7月16日現在、感染者のおよそ8割を占めています。「KP.3」はワクチンが効きにくく、従来のオミクロン株の中では重症化リスクが高いのが特徴だといいます。

柴田伸一郎部長:

「『KP.3』というのはワクチン株から逃れられるような性質をもっていて、重症化する比率が今まで流行していたオミクロン株よりは高い。基礎疾患のある方、高齢者の方は、重症化リスクが高いのは事実なので、ぜひ医療機関にかかっていただいた方がいいと思います」

 変異株「KP.3」によって本格的に新型コロナの感染が拡大するとみられ、油断せず十分な感染対策が必要です。