G7、中国の過剰生産監視協力で合意 露資産活用「検討」 財務相・中銀総裁会合が閉幕

AI要約

イタリア北部ストレーザで開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議が閉幕し、中国の過剰生産能力管理で協力することを合意。

過剰生産された中国製品の輸出問題に懸念し、米国による中国製EV関税の引き上げが議論される中、欧州も同様の措置を検討する可能性。

フランスが貿易戦争回避を訴えつつ、産業利益を保護するためG7の団結を呼びかけ。

【パリ=板東和正】イタリア北部ストレーザで開催されていた先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は25日、閉幕した。ロイター通信によると、イエレン米財務長官は同日、「G7は中国の過剰生産能力を監視するために協力することで合意した」と表明した。ロイターが入手した共同声明の草案では、ウクライナ侵略への制裁で凍結したロシア資産が生む将来的な収益をウクライナ支援に活用する方法を「検討していく」方針を示した。

24日から始まった会議の本格討議では、過剰生産された中国製品が海外に安価で輸出される問題に懸念する声が相次いだ。議長国イタリアのジョルジェッティ経済財務相は24日、バイデン米政権が14日に中国製の電気自動車(EV)などに対する関税を2~4倍に引き上げると発表したことを受け「欧州も同じ決断を下すかどうかを検討する必要があるかもしれない」と説明。欧州連合(EU)が、米国の対応に追随するのは時間の問題との認識を示した。

フランスのルメール経済・財務相は中国との貿易戦争は避けるべきだとした上で「G7は産業利益を保護するため団結した姿勢を示さなければならない」と主張した。

ロシアの凍結資産の活用をめぐり、イエレン氏は25日、凍結した露資産の利子を担保に融資をする案について、G7首脳が6月の首脳会議で検討する「主要な選択肢だ」と指摘。同案の実現にはEUが承認するなど「かなりの作業が必要だ」と述べた。

財務省の神田真人財務官は24日の会議後、外国為替市場での円安進行を受け、投機的な動きへの日本の懸念に会議で言及したとし、「投機的な動きによる過度の変動に引き続き注意が必要だ」と強調。為替介入については「まれであることが望ましいが、過度な変動が経済に悪影響を与える場合には適切な措置を取る必要があるし、それは許されている」と述べた。