G7財務相・中銀総裁会合が閉幕へ 中国の過剰生産に対応策求める声相次ぐ

AI要約

先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、過剰生産された中国製品の輸出に懸念が表明された。

イタリアの議長が、米国の中国製品に対する関税引き上げに欧州も同様の措置を検討する必要があると示唆した。

ロシアの凍結資産を活用してウクライナ支援を進める案について、EUと米国の間で議論が行われた。

【パリ=板東和正】先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は24日、イタリア北部ストレーザで本格討議を行い、過剰生産された中国製品が海外に安価で輸出される問題に懸念する声が相次いだ。25日はウクライナ侵略への制裁で凍結したロシア資産が生む収益をウクライナ支援に活用する具体的な方法を協議。同日に共同声明を採択し閉幕する。

議長国イタリアのジョルジェッティ経済財務相は24日、バイデン米政権が14日に中国製の電気自動車(EV)などに対する関税を2~4倍に引き上げると発表したことを受け「欧州も同じ決断を下すかどうかを検討する必要があるかもしれない」と説明。欧州連合(EU)が域内の産業の育成・保護のため、米国の対応に追随するのは時間の問題との認識を示した。

フランスのルメール経済・財務相は「(中国は)われわれの経済パートナー」で貿易戦争は避けるべきだとした上で「G7は産業利益を保護するため団結した姿勢を示さなければならない」と主張した。

財務省の神田真人財務官は24日の会議後、中国の過剰生産問題について記者団に「多くの国が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念を表明した」と説明した。また、神田氏は外国為替市場での円安進行を受け、投機的な動きへの日本の懸念に会議で言及したとし、「過度な変動があれば適切な行動を取ることに尽きる。投機的な動きによる過度の変動に引き続き注意が必要だ」と述べた。

ロシアの凍結資産の活用をめぐり、EUは露資産が生む収益をウクライナ支援に活用する考え。米国はさらに踏み込み、資産の将来の利子を担保に債券発行や融資をする案を主張している。米国は同案実施で500億ドル(約7兆8千億円)の調達を見込む。イエレン米財務長官は24日、米国の案に「致命的な問題はない」と述べた。