定年退職後も働いて月18万円稼げればと思っていましたが、働くと年金額が減らされると聞きました。働かないほうがいいですか?

AI要約

定年退職後も、再雇用や再就職などで働きたいと考える人も多いでしょう。安定した継続収入を得ることで老後資金を増やせる、定年退職前と同等の生活水準を維持できるなどのメリットがあります。

60歳以降も働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、在職老齢年金によって「老齢厚生年金の基本月額」「総報酬月額相当額」の合計が50万円を超えると、年金の一部または全額支給停止となる仕組みを設けています。

◆65歳以上の受給権者のうち支給停止対象は2割弱

定年退職後も働いて月18万円稼げればと思っていましたが、働くと年金額が減らされると聞きました。働かないほうがいいですか?

定年退職後も、再雇用や再就職などで働きたいと考える人も多いでしょう。安定した継続収入を得ることで老後資金を増やせる、定年退職前と同等の生活水準を維持できるなどのメリットがあります。しかし、働き方によっては年金の一部または全額支給停止となることを理解していない人もいることでしょう。

本記事では、毎月どのくらいの収入があると年金の一部または全額支給停止になるのか、年金額を減らさずに働く方法などを解説します。

60歳以降も働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、在職老齢年金によって「老齢厚生年金の基本月額」「総報酬月額相当額」の合計が50万円を超えると、年金の一部または全額支給停止となる仕組みを設けています。

老齢厚生年金の基本月額とは、加給年金額を含まない老齢厚生年金の月額のことです。総報酬月額相当額とは、その月の標準報酬月額+その月以前の標準賞与額の合計を12で割った額です。

老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計が50万円を超える場合、超過した金額分の2分の1が支給停止になります。

・支給停止額=(老齢厚生年金の基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2

例えば、老齢厚生年金の基本月額が25万円、総報酬月額相当額35万円の場合、支給停止額は(25万円+35万円-50万円)÷2で5万円です。受け取れる老齢厚生年金が25万円の場合、20万円に減額されるということです。

老後資金の計画を事前に立てていたにも関わらず、月の収入によって年金が減額するのは大きな打撃になるでしょう。定年退職後に働くことを考えている人は、在職老齢年金の仕組みを十分に理解して年金が減額されない働き方を認識しておいてください。

◆65歳以上の受給権者のうち支給停止対象は2割弱

厚生労働省の「年金制度の仕組みと考え方」によると、65歳以上の在職している年金受給権者のうち支給停止の対象になっているのは、248万人中41万人で2割弱となる17%とのことです。なお、賃金と年金の合計額を階級別にまとめたものでは、20万円以上~24万円未満の人が最も多いことが分かっています。