ECBの6月利下げ見通しは依然変わらず、賃金加速でも-仏中銀総裁

AI要約

欧州中央銀行(ECB)は、6月の利下げを続行する決意を示し、賃金に関するデータを注意深く解釈する必要があるとの声明を出した。

ユーロ圏の妥結賃金の伸びは鈍化せず加速しており、物価の低下が確実視されている一方、ドイツを除く国では賃金の伸びが減速している。

インフレの抑制と2%目標への回帰を目指すECBは、利下げを決定する見通しであり、政策当局者は次回の会合での利下げが極めて高い可能性であると説明している。

(ブルームバーグ): 6月利下げに十分なだけインフレが緩和すると欧州中央銀行(ECB)は引き続き確信しており、賃金に関するデータを過剰に解釈するべきではないと、政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁が述べた。

23日発表されたデータによると、ユーロ圏の妥結賃金の伸びは1-3月に鈍化せず加速し、物価上昇率が間違いなく低下するとの期待に注意を促した。

パリで開かれたテクノロジー関連会合に出席したビルロワドガロー氏は、1回限りの「ドイツの例外」があったと指摘、それ以外の国で賃金の伸びは著しく減速したと論じた。

「過剰に解釈すべきではない。ディスインフレの進行に引き続き自信を持っている」と続けた。

ECBは高騰する物価に歯止めをかけようと利上げにかじを切って以来、初めてとなる利下げを2週間後の会合で決めると広く予想されている。インフレの伸びには有意な減速が見られているが、目標である2%に戻るかどうかは賃金と企業利益、生産性の相互作用次第だとの見方を政策当局者は示している。

「インフレ面でわれわれの確信は増した。従って予想外の事態がなければ、次回の政策委員会会合で初回の利下げを実施する可能性は極めて高い」とビルロワドガロー氏は語った。

原題:ECB Still on Course for June Rate Cut After Data, Villeroy Says(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.