G7財務相、債務問題対処を再び先送り-主要議題に含まれず

AI要約

イタリアを訪れるG7財務相は、政府債務の問題を回避しようとしている。

国際通貨基金は持続可能な財政政策の必要性を訴えているが、議題には上がらない。

選挙や財政不安から、集団的な対応が難しい状況が続けられている。

(ブルームバーグ): イタリアに集まる主要7カ国(G7)財務相は、重要な問題への対処を再び先送りすることになりそうだ。その問題とは、自らの政府債務だ。

政府債務は増加の一途をたどり、国際通貨基金(IMF)は先月、「今こそ」持続可能な財政政策を回復すべき時だと宣言した。それにもかかわらず、イタリアのストレーザで開かれる今回のG7財務相・中央銀行総裁会議の正式な議題に、政府債務は取り上げられていない。

英国と米国、欧州連合(EU)で選挙が近づき、ホスト国イタリアの財政状況も不安定だ。こうした状況から、この問題の取り扱いに慎重になっているのは驚くには当たらない。とは言え、高い借り入れコストの負担と債務が増加する中で、集団的な意思の欠如は問題を一層膨らませることになりかねない。

BNPパリバ・フォルティスのブリュッセル在勤チーフエコノミストで、公的財政に関する新刊本の共同著者でもあるクーン・デロイス氏は「今回のG7で、債務は間違いなく誰もが認識しているが口には出したくない重要な問題だ」と指摘。「選挙を控えた今、この問題の対処は難しい。簡単な解決策はないからだ」と論じた。

G7財務相会合は23日の夕食会で始まり、24日から正式に開始される。イタリアのジョルジェッティ財務相が発表したところによると、ウクライナ支援のためロシア凍結資産が生む利益の活用、超富裕層への国際的な課税、人工知能(AI)の影響などが中心的な議題になる。

原題:G-7 Finance Chiefs Are Once Again Sidelining Their Debt Load (1)(抜粋)

--取材協力:藤岡徹、Kamil Kowalcze、Tom Rees、Alice Gledhill、Viktoria Dendrinou、Jorge Valero、William Horobin.

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