北陸新幹線「小浜―京都」早期着工の働きかけ強化へ…「米原ルート」に滋賀県知事、与党議員は?

AI要約

北陸新幹線建設促進同盟会が小浜―京都ルートの早期着工を求める方針を決定。

大阪までの延伸を巡り、小浜―京都ルートと米原ルートに違う意見がある。

与党整備委員会の次期委員長が小浜―京都ルートを支持し、委員会の開催を準備中。

 北陸新幹線沿線などの10都府県でつくる「北陸新幹線建設促進同盟会」は22日、東京都内で大会を開いた。敦賀以西の延伸について、福井県小浜市経由の「小浜―京都ルート」の早期着工に向け、政府・与党などへの働きかけを強化する方針を決めた。(佐藤祐介)

 敦賀以西のルートを巡っては、2016年に小浜市を通って京都、新大阪へ至るルートで決まった。ただ、環境影響評価の遅れや財源確保の見通しが立たないことなどから、46年とされる開業に向けた着工のめどは立っていない。

 大阪までの早期延伸を望む石川県内の一部の首長や県議などからは、滋賀県米原市経由で東海道新幹線に接続する「米原ルート」を求める声も上がっている。

 大会には沿線7府県や経済界などから約250人が出席した。同盟会の会長を務める杉本知事は、福井県内で7基の原子力発電所が稼働し、関西に電源を供給している現状に触れながら「立地地域のために、小浜―京都ルートなしで振興を図ることはできない。日本の将来のために必要不可欠なルートだ」と強調した。

 関西広域連合長として参加した滋賀県の三日月大造知事も「知事として、(小浜―京都ルートの)早期着工と開業が思いであることを明確に申し上げる」と話した。

 大会では、駅の位置や詳細なルートを早期に確定した上で、全線開業までの具体的なスケジュールの明示や沿線自治体に過度な負担が生じないような財政措置などを、国に求めるといった決議を採択した。午後には、杉本知事らが与党や関係省庁を回って決議内容の実現を要請した。

 北陸新幹線の与党整備委員会の次期委員長に就任予定の西田昌司参院議員(京都府選出)は22日、東京都内で読売新聞の取材に応じた。米原ルートを否定し、小浜―京都ルートの早期実現を念頭に、遅くとも6月までには今年度の委員会を開催する意向を明らかにした。

 西田氏は「第1回の会合では、米原ルートは終わった話だということをまず確認したい」と強調し、石川県などの一部議員らが延伸の早期実現のために提唱している米原ルートをけん制した。

 西田氏によると、現在は関係省庁に対し、京都府内の環境への影響や工事による残土など、整備に伴うさまざまな課題の解決策を検討するように指示を出しているという。西田氏は2回目の委員会で、小浜―京都間の具体的なルート案について、関係省庁から説明を受けたいとの考えを示した。