北朝鮮の金与正氏、韓国のビラ散布に「悲惨ですさまじい代償」を警告

AI要約

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹である金与正党副部長は、反北朝鮮のビラをめぐる韓国政府への警告を発表。

韓国と米国に対する圧力キャンペーンの顔である金与正氏の脅迫により、北朝鮮は強硬手段に出る可能性がある。

南北軍事境界線付近での緊張が高まり、非武装地帯での北朝鮮の動きによる懸念が広がっている。

(ブルームバーグ): 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹である金与正党副部長は、国境を越えて散布された反北朝鮮のビラを巡り、韓国政府は「恐ろしい」代償を払うことになると警告した。北朝鮮はゴミをぶら下げた風船を韓国に向けて放っているが、さらに強硬手段に出る可能性がある。

国営朝鮮中央通信(KCNA)が16日、金与正氏の談話を伝えた。「われわれはクズどもに再び厳重に警告する。悲惨ですさまじい代償を覚悟しなければならないだろう」としている。

韓国と米国に対する圧力キャンペーンの顔となっている金与正氏の脅迫は、時に北朝鮮政府による行動を伴う。韓国政府と反北朝鮮活動家グループによる行動への怒りを示すため、5月下旬以降、北朝鮮はゴミをぶら下げた風船を2000個以上、韓国に向けて飛ばしている。

活動家グループは、北朝鮮の建国以来、数十年にわたり北朝鮮を支配してきた金一族を非難するビラを結びつけた風船を飛ばしている。多くは韓国に移住した脱北者だ。風船は、米ドル紙幣や米袋、K-POPの音楽が入ったUSBメモリーなども運び、北朝鮮の人々の気を引くよう作られている。

金与正氏は、16日に韓国側から送られた風船がさらに発見され、ビラが入っていたと述べた。KCNAによると、その内容は専門機関によって回収され、焼却された。

韓国当局は6月、北朝鮮から飛んできたゴミを結びつけた風船から、下着やネクタイ、靴下などの衣類とともに、排せつ物に付着した寄生虫が検出されたと発表した。

韓国と北朝鮮が数十万人の兵力を配置する南北軍事境界線付近では、ここ数週間で緊張が高まっており、事態がエスカレートするとの懸念が増している。

風船とは別に、韓国軍は、北朝鮮がここ数カ月、軍事境界線周辺の非武装地帯に多数の兵士を送り込み、地雷の設置、対戦車障壁の建設、道路の補修などの活動を行っていると述べている。6月9日には、韓国領内に入った北朝鮮兵士に韓国軍側が警告射撃を行い、撤退させた。