ソニー発のブロックチェーン「ソニューム」はなぜ凄いのか?
ソニーグループが2024年8月23日にブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」の開発を発表。
同8月28日には開発者向けのテストネット「Soneium Minao」を発表し、社会実装に向けた取り組みが進んでいる。
ソニュームの実装は、個人がデータを自己主権的に管理できるサービスを中心にしたエコシステムを生み出すことが目指されている。
ソニーグループがブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」の開発を2024年8月23日に発表した。
同8月28日には、Web3の最先端技術イベント「WebX 2024」で、開発者向けのテストネット「Soneium Minao」を発表し、社会実装に向けての取り組みが着実に行なわれていることが明らかとなっている。
ソニュームが起こす社会への地殻変動はどのようなものだろうか。
(関連情報)ソニーグループプレスリリース
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/News/Press/202408/24-029/
ソニュームを実装するSony Block Solutions Labs はシンガポールにあり、ソニーグループとStartale Labsの合弁会社である。
Startale Labsのファウンダーである渡辺創太氏は、2022年1月に「アスターネットワーク」というブロックチェーンネットワークを構築するなど、Web3技術の専門性に長け、日本を代表するWeb3起業家でもある。国内外からの評価も高い。
一方のソニーは、技術力、ブランド力、コンテンツの豊富さに長けた世界的な企業なのは言わずもがな。
渡辺氏のWeb3の専門性とソニーの実力が融合し、ソニーグループ内外で様々なサービスが生み出されていく。
ソニーグループのリリースでは、
“ソニュームが誰もが日常的に使用できるインフラとなるよう、ソニーグループ内の多様な事業やIP等も活用しながら新たなサービス創出を目指します。”
また、
“ソニュームは、参加者を限定せず、誰もが参加できるオープンなネットワークを持つ(中略)包括的にWeb3ソリューションを提供することが可能となります。”
と表明し、ブロックチェーン技術を用い、データを自己主権的に管理できるサービスが日常的に生み出され、また、クリエイターへの権利保護や新たな収益機会作りが行われることで、ソニュームを中心としたエコシステムが作られることを示唆している。
■ソニュームの実装利用例
Web3ゲーム用のデータ基盤「YAIBA」
ソニューム(レイヤー2)の上にさらにデータ基盤を構築したレイヤー3のソリューション。高速度×リアルタイムの処理が求められるゲームのデータ基盤に対して、さらなる大規模な拡張性を提供するほか、開発者向けツールや様々なデジタルコンテンツ発行機能を提供する。
後編では、ソニュームとは別のところで動きを見せているもソニーグループのWeb3関連の取り組みについて紹介していく。
文/久我吉史