32歳一人暮らし。年収350万円ほどで貯金は「100万円」もありません。ニュースで30代は平均「600万円」と聞きましたが、みんなどうやって貯めているのでしょうか?

AI要約

30代の平均的な金融資産保有額と年収の関係について紹介。

金融広報中央委員会の調査結果を元に、独身世帯と既婚世帯の違いを解説。

2人以上世帯が貯蓄額を増やしやすい理由について考察。

32歳一人暮らし。年収350万円ほどで貯金は「100万円」もありません。ニュースで30代は平均「600万円」と聞きましたが、みんなどうやって貯めているのでしょうか?

将来への蓄えとして準備しておきたい預貯金。どの程度準備しておけばいいかはもちろん、同世代の預貯金がどのくらいあるのか気になる人は多いでしょう。ただし、貯金額は年収やライフスタイルなどによっても変わってきます。

そこで本記事では、30代の平均的な金融資産保有額と年収の関係について、独身世帯と既婚世帯の両方の視点から紹介します。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2023年の30代単身世帯の預貯金を中心にした金融資産保有額の平均値は594万円です。一方で中央値は100万円となっています。

平均値は金融資産保有額が多い世帯に引き上げられているため、一般的な金融資産保有額としては中央値を参考にするのがよいでしょう。今回の場合は貯蓄額が100万円を切っているということで具体的な金額は不明ですが、30代単身世帯の金融資産保有額は中央値が100万円なので、100万円を大きく下回っていなければ、それほど少ないわけではなさそうです。

また、貯蓄額は年収によっても変わってきます。例えば同調査によると、30代の年収別金融資産保有額は図表1の通りです。

図表1

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和5年調査結果 を基に筆者作成

これを見ると、年収の高い世帯ほど金融資産保有額が大きく、一部の年収の高い世帯が全体の平均金融資産保有額を引き上げていることが分かります。

同調査によると、30代の2人以上世帯の平均金融資産保有額は601万円です。これは単身世帯の平均金融資産保有額594万円とほぼ同等ですが、中央値を見ると2人以上世帯が150万円、単身世帯が100万円と50万円の差があります。

平均値に大きな差がない理由としては、以下のような要因が考えられます。

●2人以上世帯では子育てや住宅ローンなど、大きな支出が発生しやすい

●単身世帯には結婚や住宅購入のために積極的に貯蓄している人が多く含まれている可能性がある

●2人以上世帯の中には、世帯形成して間もなく貯蓄期間が短い場合もある

●単身世帯にはキャリアに専念して高収入を得ている人が含まれている可能性がある

ただし、中央値の差は2人以上世帯のほうが貯蓄額を増やしやすい傾向を示唆しています。これは、共働きによる収入増や家計の合理化などが影響していると考えられます。