30代「FIREしたい」エコノミストの大胆予測が話題!FIRE願望の単身世帯増加が人手不足を加速させる?

AI要約

 FIRE願望を持つ若者が増えているとされるが、単身世帯増と結びつくと人手不足が加速し、インフレ圧力になるというレポートが話題に。河田皓史氏がFIREしたいと告白し、独り身を続けることでカネを稼ぐ意欲を失う可能性が指摘されている。

 中高年の単身世帯が今後数十年で激増すると見込まれる。結婚しない世代の増加が単身世帯割合の上昇をもたらし、これがマクロ経済に影響を与えることが懸念されている。

 単身世帯の増加とFIRE願望の関連性について、河田氏が議論。単身世帯増がFIRE願望を持つ人たちにも影響を与える理由について、独自の視点から提言している。

 FIRE願望を持つ若者が増えているとされるが、「単身世帯増と結びつくと人手不足が加速し、インフレ圧力になる」とのレポートが話題を呼んでいる。FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的に自立して早期リタイアすることを指す。

 執筆者はみずほリサーチ&テクノロジーズの河田皓史主席エコノミスト(37歳)。何を隠そう、河田氏自身もFIRE願望があるとレポートで告白している。

 河田氏によると、独り身を続けているとカネを稼ぐために「会社に滅私奉公」する意欲を失い、今後、中高年で働かない単身世帯が激増する可能性があるという。どういうことか? 

 (湯浅大輝:フリージャーナリスト)

■ 今後数十年で中高年の単身世帯が激増する! 

 ──FIRE願望と人手不足を結びつけるというユニークな視点が話題を呼んでいます。なぜ、このテーマで書こうと思われたのでしょうか。

 河田皓史氏(以下、敬称略):私自身がFIREしたい人間であることと、少子化を議論する文脈で「非婚化」が注目されることはあっても、「単身世帯の増加」という観点ではあまり議論されない傾向にあったことがきっかけです。

 単身世帯の増加理由は、結婚しない人が増えたことにあります。実際、総世帯に占める単身世帯の割合は2050年に約45%にまで上昇すると見込まれています。

 多くの結婚適齢期世代が結婚をしないという選択肢を取ると、今後数十年にかけて50~70代の単身世帯の割合が激増することが予想されます。

 単身世帯がこれだけ増えているのにもかかわらず、政府が踏み込んだ議論を避けている理由は分かりませんが、労働力や購買力など、マクロ経済の需給両面に大きな影響を与えることは確実です。

 「単身世帯が増えていることそのものを議論したい」という動機が最初にあり、それに近年話題になっているFIREをかけたら面白そうだと思い、レポートを書きました。

 ──単身世帯が増えると、なぜFIRE願望を持つ人も増えるのでしょうか。