X、ブラジル最高裁に法定代理人提示へ 遮断命令解除に道
ブラジル最高裁が所有者イーロン・マスクによる交流サイトXの遮断命令を解除する可能性が高まった。
Xの弁護団が法定代理人を最高裁に提出する意向を示し、現在選任手続きが進行中。
Xがサービスの仕組みを変更し、遮断回避を試みているが、最高裁から罰金の警告を受けた。
Ricardo Brito Luciana Magalhaes
[ブラジリア 19日 ロイター] - ブラジルで米実業家イーロン・マスク氏が所有する交流サイトのXが最高裁命令により遮断されている問題で、Xの弁護団は19日、法定代理人を「非常に近いうち」に最高裁に提示すると明らかにした。実現すれば、遮断命令解除に道が開かれる。
最高裁は8月、偽情報拡散問題を巡ってXのブラジルにおける法定代理人が不明で適切な対応がなされていない点などを理由に、サービス停止を命じ、数時間後にサービスが遮断された。
こうした中でXの弁護団はロイターに、既に最高裁に対して法定代理人を指名する意思を記した文書を送付したと説明。現在はなお選任手続きが続いている段階だと付け加えた。
一方Xがサービスの仕組みを変更したため、18日時点でブラジル国内の多くのユーザーが遮断を回避して再び利用できるようになっている。
このため最高裁は同日、Xに対して遮断命令違反を改めなければ、1日当たり500万レアル(92万1726.95ドル)の罰金を科すと警告した。
最高裁のデモラエス判事は「Xがマスク氏の直接的指示の下で、またブラジル司法を軽視するつもりなのは間違いない」と主張し、Xが「戦略」として遮断回避をしていると付け加えた。
しかしXは、ネットワークプロバイダーに関する変更の結果としてブラジルで「不注意かつ一時的な」サービスの復活が起きたと述べ、意図的な遮断回避ではなかったと強調した。