Xが正式にテキサス州に移転、サンフランシスコの拠点は閉鎖

AI要約

イーロン・マスク率いるX社がオースティン近郊のバストロップに本社を移転していたことが判明。テキサス州での訴訟を継続するために移転した模様。

X社はサンフランシスコオフィスを閉鎖し、テキサス州に拠点を移す方針。マスクはバストロップに学校も開校した。

マスクはバストロップで広大な土地の買収を進め、急速な開発に一部の住民が抗議。環境問題にも関連した注意が向けられている。

Xが正式にテキサス州に移転、サンフランシスコの拠点は閉鎖

イーロン・マスクが率いるX(旧ツイッター)が、密かにテキサス州オースティン郊外の田舎町に本社を移転していたことが新たな提出書類で判明した。

マスクの弁護士は現地時間9月16日、Xとの提携解消をめぐりマスクを8月に提訴した元CNNドン・レモンとの係争中の訴訟の場所を変更するようカリフォルニア州の裁判官に要請した。

Xの不動産部門の取締役であるニコール・ホランダーの請求によると、Xの本社は現在、スペースXとボーリング・カンパニーの本拠地でもある小さな町、バストロップに置かれている。Xは先月、複数の法人書類の住所をバストロップに変更しており、マスクはレモンとの訴訟をテキサス州で継続することを求めている。

7月にマスクは、XとスペースXの本社をテキサス州オースティンに移転すると発表したが、その際にマスクは、カリフォルニア州で新たに成立したトランスジェンダーの子どもをめぐる法律に反発し、「我慢の限界だ」とXに書き込んでいた。この新法は、子どもが自身の性自認を変えた場合に、学校がその子どもの許可なしに保護者に通知することを禁じるものだ。

フォーチュン誌の記事とホランダーの請求によると、Xは今月13日にサンフランシスコのオフィスを閉鎖した。これに先立ち8月初旬にXのリンダ・ヤッカリーノCEOは、社内向けのメールでサンフランシスコからの撤退を通知し、従業員はサンノゼの現行オフィスや、エンジニアリングに特化したパロアルトのオフィスに再配置されると報じられていた。しかし、これまでのところ新たな拠点は正式に発表されていない。

■マスクは現地で学校も開校

ホランダーは、テキサス州に188人のフルタイム従業員がいると提出書類で述べているが、そのうち何人がバストロップにいるかを明記していない。同社の新住所は、マスクが所有するハイパーループプラザのビル2とされている。裁判所への提出書類によると、4月にXは、このビルを保有するマスクとの間に3年間の商業用賃貸契約を締結していた。

同社はオースティンにもオフィスを構えているが、「Xはバストロップの物件を公式本社としてリースしており、最終的にはオースティンの従業員をバストロップの新拠点に移転させる」とホランダーは述べている。Xは7月に、少数の信頼および安全部門のスタッフをバストロップで採用し、「セーフティXサポートセンター」に配置すると発表していた。

2021年にマスクはGapped BassというLLC名義でバストロップの広大な土地の買収を開始した。今ではスペースXとボーリングカンパニーに属するビル群や住宅モジュール、建設現場がコロラド川沿いに並んでおり、町の一部の住民は急速な開発に抗議している。今年初め、ボーリングカンパニーは未許可のトンネル掘削と不適切な排水投棄により、環境関連の2つの罰金を科されていた。

フォーブスは8月に、マスクがAd Astra(アド・アストラ)と呼ばれる実験的な学校の分校をバストロップに開校し、入学申請を受け付け中だと報じていた。