NY市場サマリー(19日)ダウ・S&P最高値、ドル下落、利回り上昇

AI要約

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが不安定な取引の中、下落した。連邦準備理事会による利下げの影響があった。

株式市場は、FRBの利下げ決定や週間の失業保険申請件数の低水準が好感され、株価は上昇した。主要株価指標が終値で最高値を更新した。

金塊先物相場は、FRBの利下げに好感されて続伸。原油先物相場も同様にFRBの利下げを受けて反発した。

<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが不安定な取引の中、下落した。米連邦準備理事会(FRB)による前日の50ベーシスポイント(bp)の大幅な利下げと金融緩和政策への転換を受けた。

主要6通貨に対するドル指数は序盤の上昇から反転し、 0.38%安の100.64。前営業日には1年以上ぶりの安値となる100.21まで下落した。

ユーロ/ドルは0.4%高の1.1163ドル。

ドル/円は0.33%高の142.73円となった。日本銀行が20日まで開催の金融政策決定会合で政策金利を据え置くとの見通しが背景。

ドル/スイスフランは0.08%安の0.847フラン、オフショア人民元に対しては0.34%安の7.070元となった。

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが上昇した。市場が前日の連邦準備理事会(FRB)による4年半ぶりの利下げ決定を消化するなか、失業保険申請件数の内容を受けて世界的なリスク選好が一段と高まった。

指標となる10年債利回りは一時、約2週間ぶりの高水準となる3.768%を付けた。終盤は5.1bp上昇の3.738%。

この日発表された米新規失業保険申請件数(季節調整済み)が、前週比1万2000件減の21万9000件と4カ月ぶりの低水準となったことが利回り上昇に大きく寄与した。

2年債と10年債の利回り格差は一時、14.3ベーシスポイント(bp)と、2022年6月以来の大きさとなった。終盤では13.6bp。18日の終盤は8.1bpだった。

ジャニー・キャピタル・マネジメントのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・ルバス氏は、「積極的なFRBの政策と、リフレ的な経済成長またはインフレ期待の緩やかな上昇が相まって、利回り曲線のスティープ化がさらに進んでいる」と述べた。

<株式> 米国株式市場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種が終値での最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が18日までに開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイント利下げを実施し、年内の追加利下げの可能性を示唆したことを好感している。

この日発表された週間の米新規失業保険申請件数がエコノミスト予想に反して減少し、4カ月ぶりの低水準となったことも相場を支援した。

テスラは7%超、アップルとメタ・プラットフォームズは4%近く上昇した。エヌビディアも4%高となり、フィラデルフィア半導体指数は4.3%上昇した。

FRBは18日、0.50ポイントの利下げを決定。インフレは抑制されているとの確信が強まったと指摘した。パウエル議長は、米経済は堅調で、今後の利下げペースは中銀が決定すると述べた。

D.A.デビッドソンのリサーチディレクター、ジェームス・ラガン氏は「FRBはかなり堅調な景気を確認したため、これまでアンダーパフォームしていたセクターの一部に資金が流れている」と指摘した。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦準備理事会(FRB)による前日の大幅利下げ決定を好感した買いに、続伸した。

FRBは前日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.5%引き下げることを決めた。また年内の残り2会合で、それぞれ0.25%の下げ幅で利下げする予想を示したことから、利回りを生まない資産の金にとって追い風となるとの見方が強まった。

市場関係者の間では、米商務省がこの日発表した4─6月期の米経常収支で、3四半期連続の赤字拡大が明らかになったことや、中東の紛争拡大懸念が強まっていることも、リスク回避の観点から、安全資産としての金を買う動きにつながったとの声も聞かれた。朝方に発表された米経済指標が強めの内容となり主要通貨に対してドル買いが進んだ場面では、金相場も売りに押されたものの、その後は切り返した。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米連邦準備理事会(FRB)による大幅な利下げを好感した買いに、反発した。

FRBは18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.5%引き下げることを決めた。通常の2回分となる大幅利下げ決定を受けて、米景気が下支えられてエネルギー需要も改善するとの期待感が台頭した。米労働省が19日に発表した新規失業保険申請件数が前週比1万2000件減の21万9000件と、市場予想(ロイター調査)の23万件を下回ったことも景気先行きをめぐる楽観的な見方につながった。また、前日の米利下げ決定を受け、ユーロ買い・ドル売りの流れが進行。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、原油が買われた面もあった。

レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は19日、演説でレバノン各地で17、18両日に起きた無線機や携帯型通信機器の一斉爆発について、イスラエルによる「宣戦布告」と非難し、報復の意志を明言した。中東情勢の一段の悪化に警戒感が広がる中、供給不安もくすぶっている。

ドル/円 NY終値 142.62/142.64    

始値 142.83    

高値 143.76      

安値 142.54      

ユーロ/ドル NY終値 1.1161/1.1162    

始値 1.1170    

高値 1.1176      

安値 1.1117      

         

  米東部時間      

30年債(指標銘柄) 17時05分 103*12.00 4.0540%

  前営業日終値 104*06.00 4.0080%  

10年債(指標銘柄) 17時05分 101*09.00 3.7188%

  前営業日終値 101*17.50 3.6870%  

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*20.00 3.4860%

  前営業日終値 100*23.00 3.4650%  

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*09.63 3.5876%

  前営業日終値 100*08.75 3.6030%  

         

   終値 前日比 %  

ダウ工業株30種 42025.19 +522.09 +1.26

 前営業日終値 41503.10      

ナスダック総合 18013.98 +440.68 +2.51

 前営業日終値 17573.30      

S&P総合500種 5713.64 +95.38 +1.70

 前営業日終値 5618.26      

         

COMEX金 12月限 2614.6 +16.0  

前営業日終値 2598.6      

COMEX銀 12月限 3142.3 +73.6  

前営業日終値 3068.7       

北海ブレント 11月限 74.88 +1.23  

前営業日終値 73.65      

米WTI先物 10月限 71.95 +1.04  

前営業日終値 70.91      

CRB商品指数 282.1928 +2.3738  

前営業日終値 279.8190