【70歳代】貯蓄3000万円以上持つ夫婦世帯は19.7%も!「貯蓄ゼロ」は何パーセント?【老齢年金】「国民年金・厚生年金」平均月額もチェック
日本の平均余命が延び、長生きするリスクが増している状況において、老後の資金管理が重要となっています。
70歳代の貯蓄状況を見ると、平均貯蓄額は1757万円であり、2割程度の世帯が貯蓄ゼロであることが分かります。
年金だけでは不安が残る場合もあり、老後資金として最低限いくら用意すべきか考える必要があります。
医療技術の発展により、日本の平均余命は大きく伸びています。
2024年7月26日、厚生労働省から発表された「令和5年簡易生命表の概況」を見ると、1990年時点の平均寿命は男性75.92年、女性81.90年ですが、2023年時点では男性81.09年、女性87.14年。約30年間で5年も延びていることが分かりました。
人生100年時代とも言われ、これから私たちが直面するリスクとして「長生きするリスク」というものが新たに発生しています。
老後の収入源として「国民年金」や「厚生年金」といった公的年金がありますが、これからはこれらの公的保障に頼りきれない時代が到来すると言われています。
そのため、自分自身で資産運用を行うことによって「長生きするリスク」に備えることが必要です。
本記事では70歳代の方を対象に、実際のところどのくらいの金額を貯蓄できているのかを見ていきましょう。
また、現代シニアの年金事情も確認しておきます。これらの数字を眺めながら、老後のお金について考えていきたいと思います。
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さっそく、70歳代の貯蓄額を見ていきましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると70歳代(二人以上世帯)の平均貯蓄額は次のとおりです。
なお、本データは「金融資産を保有していない世帯」を含めたものです。
●【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
・平均:1757万円
・中央値:700万円
70歳代(二人以上世帯)の平均貯蓄額は1757万円です。ただし、より実態に近い数値と考えられる中央値は700万円。
貯蓄額のような世帯によって状況が大きく異なるデータは、平均値や中央値では実態を捉えずらいため、貯蓄額ごとの世帯割合より、貯蓄事情を深掘りしていきましょう。
●【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額ごとの世帯割合】
・金融資産非保有:19.2%
・100万円未満:5.6%
・100~200万円未満:5.1%
・200~300万円未満:4.3%
・300~400万円未満:4.7%
・400~500万円未満:2.5%
・500~700万円未満:6.2%
・700~1000万円未満:5.8%
・1000~1500万円未満:10.2%
・1500~2000万円未満:6.6%
・2000~3000万円未満:7.4%
・3000万円以上:19.7%
貯蓄ゼロの世帯が19.2%と約2割を占めています。冒頭で申し上げたとおり、「長生きするリスク」を考慮すると貯蓄ゼロで過ごす老後生活は不安が大きいかもしれません。
一方で、貯蓄3000万円以上を保有する世帯も19.7%とこちらも約2割を占めています。
「安心できる貯蓄額」・「必要な貯蓄額」は世帯によって異なるため、3000万円あっても不安な方もいるでしょう。
では、老後資金として最低限いくら準備すべきなのか。
老後の収入源が公的年金のみとなる場合は、年金受給額をベースに生活設計を考える必要があります。
年金受給額は現役時代の働き方などによって個々で異なるため、ここでは現代シニアの平均月額を参考に見ておきましょう。