「もう一段のギアシフト必要」日銀・高田審議委員 利上げに前向き

AI要約

日本銀行の高田創(はじめ)審議委員は、金沢市で追加利上げに前向きな姿勢を示し、段階的な利上げを推進する考えを表明した。

利上げを進める条件として、前向きな企業行動や金融市場の動向を慎重に見極めながら金利調整を進める必要があると述べた。

金融市場における円高株安の動きが警戒されている中、日銀は引き続き市場の影響を注視していく姿勢を示している。

「もう一段のギアシフト必要」日銀・高田審議委員 利上げに前向き

 日本銀行の高田創(はじめ)審議委員は5日、金沢市で講演し、追加利上げについて「物価が見通しに沿って推移すれば、その都度、もう一段のギアシフト(速度の切り替え)を進めることが必要」と述べた。段階的な利上げに前向きな姿勢を示した。

 エコノミスト出身の高田氏は、利上げに積極的な「タカ派」とされる。講演で高田氏は、利上げを進める条件として、堅調な設備投資や賃上げといった「前向きな企業行動」が続くことを挙げた。これらを確かめながら、その都度利上げを進め、「金利のある世界にしていくことは必要だ」との考えを示した。

 一方で、日銀が7月に追加利上げに動いた後、米景気の減速懸念などから急激な円高株安が進んだ。金融市場について高田氏は「足元では、落ち着きを取り戻しつつある」と指摘。その上で「当面はその動向を注視し影響を見極める必要がある」とした。その後の記者会見でも「金利を調整していくことが基本姿勢だが、金融市場の動向はその前提となる」と話した。