【ドイツ】独政府、コメルツ銀の保有株売却を計画

AI要約

ドイツ政府は、金融大手コメルツ銀行の一部株式を売却する方針を示した。

コメルツ銀行は2021年に黒字化を達成し、政府の支援を受けた経緯を持つ。

売却によりコメルツ銀行の安定性が高まり、ドイツの金融強さを象徴するとされている。

 ドイツ政府は3日、金融大手コメルツ銀行の保有株の一部を売却する方針を明らかにした。同行は2021年に黒字化を達成し、経営が安定しているため。売却の規模や方法は明らかにしていない。

 コメルツ銀は金融危機で経営が悪化し、08~09年に総額182億ユーロの公的支援を受けた。同行はこれまでに131億5,000万ユーロを返済したが、政府は現在も、金融市場安定基金(FMS)を通じて株式16.5%を保有する。政府の保有株の市場価値は約26億ユーロに上る。

 財務省は今回の決定について、「コメルツ銀と欧州の金融中心地としてのドイツの強さを示すもの」と述べている。

 コメルツ銀の23年12月期の純利益は22億2,400万ユーロと前期比55%増え、過去15年で最高を記録した。「バーゼル3」全面適用時の普通株等ティア1レシオ(自己資本比率)は12月末時点で14.7%と、1年前から0.6ポイント上昇している。