9月の米利下げ幅、労働市場が鍵 0.5%引き下げ観測も浮上

AI要約

労働市場の状況が注目される中、9月のFOMCでの利下げに関する期待が高まっている。

7月の雇用動態調査結果から求人件数の低水準が示唆され、より大幅な利下げが検討されている。

金融市場では大幅な利下げが予想され、政策当局者は雇用統計と物価指数のデータを重要視している。

9月の米利下げ幅、労働市場が鍵 0.5%引き下げ観測も浮上

Ann Saphir

[4日 ロイター] - 9月17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でどの程度の利下げが行われるかを巡り労働市場の状況が一段と注目されている。

企業が引き続き人員採用を継続していることや、失業率が上昇傾向にあるものの依然として比較的低い4.3%にとどまっていることから、米連邦準備理事会(FRB)は0.25ポイントの利下げを行うとの見方が大勢だ。

ただ、米労働省が4日発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が23万7000件減の767万3000件と、3年半ぶりの低水準となった。

これを受け、雇用市場が転換点に近づいているとの見方が強まった。このデータがより大幅な利下げの根拠となる可能性がある。

パウエルFRB議長や他の中銀当局者が注視する求人倍率は現在、コロナ渦前の平均を下回っている。

金融市場ではFOMCで大幅な利下げが行われるとの見方が強まった。金利先物は現在、0.5ポイントの利下げが0.25ポイントの利下げとほぼ同程度の確率で起こるとの見方を織り込んでいる。

ジップリクルーターのチーフエコノミスト、ジュリア・ポラック氏は「雇用動態調査は労働市場が冷え込んでおり、そのペースが加速していることを示唆している」と指摘。同氏はFRBが7月に利下げを開始すべきだったと考える少数派アナリストの一人。

政策当局者は、6日に発表される月次雇用統計と来週発表される8月の消費者物価指数データが今後の政策決定で重要な判断材料になるとして注視している。