南房総の宿泊税検討委 県税への上乗せに反対相次ぐ 市の100円徴収案には理解(千葉県)

AI要約

南房総市の「宿泊税検討委員会」が開かれ、宿泊税導入の素案について議論がされた。

徴収額や使途、県税分について意見が分かれ、詳細が明確化される必要があるとされた。

今後も議論を重ね、市長に提出する予定である。

南房総の宿泊税検討委 県税への上乗せに反対相次ぐ 市の100円徴収案には理解(千葉県)

南房総市の「宿泊税検討委員会」の第2回会議が8月26日、市役所で開かれた。事務局である市が示した、宿泊客1人につき100円を徴収する素案について協議した結果、委員はおおむね理解を示した。一方で、県税分に市町村分を上乗せする方式には反対が相次ぎ、「県との話し合いが必要」との結論になった。

宿泊税は、自治体が総務相の同意を得て徴収できる法定外目的税の一つ。ホテルや旅館などの宿泊客に課税し、条例に基づいて税率や使途を定めることができる。

市が示した案では、徴収した宿泊税の使い道は観光振興施策とし、▽教育旅行、スポーツ旅行の誘致▽インバウンド誘客の強化▽自然環境の維持、保全▽観光、宿泊施設への支援――などに充てるとしている。

徴収額の案を100円とした理由については、観光振興施策の事業規模を5000万円、年間宿泊者を50万人と仮定して計算したとしている。一定額未満の宿泊料金を免税するための基準となる「免税点」はなしとし、教育旅行や修学旅行についても、課税は免除せず、別の形で還元するとした。

市の素案には、基本的には異論が出なかったが、▽使途の具体性▽費用対効果▽実施するための市の目的――などを、より明確化する必要が指摘された。また、南房総市だけでなく、安房地域全体での連携を求める声もあった。

ただ、県の素案では、県税分として150円を徴収し、市町村が独自に課税する場合は、県税分に上乗せする方式を提示している。

この県税分への上乗せ徴収案について今回の南房総市の検討委では、「宿泊事業者の理解を得ることは難しい」「手続きが煩雑」など、反対の声が相次いだ。

また、県が使途とする観光振興施策(事業規模約45億円)の内、市町村と観光地域づくり法人(DMO)への支援を約11億円とすることなどについては「安すぎる」「これではやりたいことができない」との批判も出た。「(県税の)150円分のうち100円を市、県を50円とするなど、市側の取り分を多くしてほしい」との意見もあった。

市は、今年度中に、さらに3回ほど会議を実施し、検討結果を市長へ提出する。次回は、10月29日を予定している。