コメ不足、スーパーでは購入制限も 新米流通で事態好転に期待も台風10号の影響懸念

AI要約

コメの品薄感が強まっており、食生活に影響を及ぼしている。コメ不足はスーパーマーケットでも顕著で、価格も上昇している。

スーパーではコメ不足に対応するため、新米の価格が昨年比で2倍になるなど、対応策を打ち出している。

需要が供給を上回っている状況で、各店では購入制限が行われており、コメ不足の影響が広がっている。

コメ不足、スーパーでは購入制限も 新米流通で事態好転に期待も台風10号の影響懸念

コメの品薄感が強まっている。コメ不足は日々の食生活を支えるスーパーマーケットにも影響を及ぼしている。

東京都内を中心に展開するスーパー「アキダイ」の関町本店(練馬区)。レジわきのコメの商品棚に並ぶ白米の袋は数えるほどしかないが、次々と客が買い求めていく。秋葉弘道社長は「備蓄用に買い求める人もいて、一段と不足傾向が進んだ」と話す。毎日の入荷分はすぐに売れてしまい、「熱い鉄板に水滴を落とすようなもの」という。価格は5キロが今年は3千円前後と昨年より2割高くなっている。

「スーパーマルサン」の越谷花田店(埼玉県越谷市)では、昨年のこの時期には一昨年に収穫した古米を5キロ1500円前後で販売していたが、今年は古米の入荷がすでにないため、今月から仕入れを始めた千葉県産などの新米を3千円前後で販売。価格は2倍になっている。

総合スーパーを展開するイオンリテール(千葉市)でも、供給より需要の方が大きいといい、パックごはんなどの冷凍食品の品ぞろえを増やして対応している。一部地域の店舗では買い占めを防ぐために購入制限も行っている。

セブン&アイ・ホールディングスが展開する「イトーヨーカ堂」では国内全店舗で購入制限を実施。当初は1人1点だった制限を現在は1家族1点に強化した。

千葉県や茨城県の新米が出始めているが、今後の見通しは不透明だ。スーパーマルサン越谷花田店の八木栄樹店長は「新米が出てきたことで現在は注文した5~6割が入荷している」と話し、9月にはコメ不足が落ち着くとみる。ただ、29日に九州に上陸した台風10号の影響などで収穫が減少すれば「新米を例年よりも早く供給しているために再びコメ不足になり、価格も高止まりするのではないか」と話した。