〔東京外為〕ドル、145円台前半=米雇用者数下方修正などで急落(22日午前9時)

AI要約

ドル円相場は、米雇用者数の下方修正やFOMC議事要旨の内容を受けて急落し、1ドル=145円13~14銭に。米国市場で下落後、東京市場は売り買いが交錯し144円80銭~145円20銭で推移。

市場関係者は雇用者数の下方修正について「妥当な動きだが、参加者が少ないため影響は限定的」と指摘。一方、FOMC議事要旨では利下げの必要性が議論され、ドル売り要因に。

ユーロは対円で下落し、対ドルで上昇。ユーロドルはおよそ1年ぶりの高値をつけている。

 22日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米雇用者数の年次改定での大幅下方修正や、FOMC議事要旨で大多数の参加者が利下げに前向きな姿勢だったことを受け、1ドル=145円台前半に急落している。午前9時現在、1ドル=145円13~14銭と前日(午後5時、146円14~15銭)比1円01銭の大幅ドル安・円高。

 前日の海外市場では、米国時間に米雇用者数の引き下げやハト派的だったFOMC議事要旨を背景に売りが膨らみ、144円40銭台まで下落。その後は、米長期金利の持ち直しや米株高などが支援要因となり、145円30銭付近まで値を戻した。東京早朝は売り買いが交錯し、144円80銭~145円20銭台のレンジで推移した。

 米雇用統計の年次改定では、3月時点の非農業部門就業者数が従来と比べ81万8000人下方修正された。ドル円は発表後に1円80銭程度下落。市場関係者は「下方修正の規模を考えれば妥当な動きだが、市場参加者が少ないことも要因」(国内証券)と指摘する。一方、FOMC議事要旨では大多数の参加者が「次回会合での金融緩和が適切」と言及。7月会合での0.25%利下げを支持する声もあり、これもドル売りの材料になった。

 この後の東京時間は、23日に国会での植田日銀総裁発言やジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演が控えていることから、動きにくいとされる。市場の一部からは、「ニューヨーク時間に二つのドル安材料が出たことを踏まえると、きょうの東京時間に再び144円台まで下落する可能性がある」(外為仲介業者)との声も聞かれた。

 ユーロは対円で下落、対ドルで上昇。ユーロドルは、前日の海外市場で昨年7月20日以来、約1年1カ月ぶりの高値をつけた。午前9時現在、1ユーロ=161円87~89銭(前日午後5時、162円42~44銭)、対ドルでは1.1154~1155ドル(同1.1113~1114ドル)。