〔東京外為〕ドル、145円台前半=米の金利低下と株軟調で急落(21日午前9時)

AI要約

東京外国為替市場のドルの対円相場が急落し、1ドル=145円台前半まで下落。

米国の長期金利低下や主要株価指数の下落が売りを誘い、日米金利差の縮小によるドル安・円高の流れが続く見通し。

日本時間今夜には米雇用統計の年次基準改定値が公表され、大幅下方修正があればドル円はさらに下落する可能性がある。

 21日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米国の長期金利低下や主要株価指数の下落を背景に売りが強まり、1ドル=145円台前半に急落している。早朝には一時、7日以来2週間ぶりに144円台に水準を切り下げる場面もあった。午前9時現在は、145円32~33銭と前日(午後5時、146円54~56銭)比1円22銭の大幅ドル安・円高。

 前日の海外市場では、欧州時間は145円20~50銭台で推移。米国時間に入ると米長期金利の低下、ダウ工業株30種平均やナスダック総合指数など主要株価指数が軟調に推移したことを受けて売りが広がり、終盤には145円10銭台まで値を下げた。東京早朝も売り優勢の流れが続き、144円90銭台に下落。ただ、この水準では買い戻しが入り、その後は145円台前半に持ち直した。

 この後の動きについては、米9月利下げ観測を背景に日米金利差の縮小が意識され、「長期的な基調はドル安・円高になりつつある」(運用会社)ことから、ドル円は軟調な展開が予想される。もっとも「23日の日米中銀トップの発言を前に動きにくい」(大手邦銀)と指摘されるため、一段の売りは手控えられるとみられている。

 また、日本時間今夜には米雇用統計の年次基準改定値が公表される。市場では「大きく下方修正され、利下げ織り込みが一段と進むようであれば、ドル円は1~2円下げる可能性がある」(先の運用会社)との声が聞かれた。

 ユーロは対円で下落、対ドルで上昇。ユーロドルは、昨年12月末以来、約7カ月ぶりの高値を更新。午前9時現在、1ユーロ=161円69~71銭(前日午後5時、162円48~48銭)、対ドルでは1.1127~1127ドル(同1.1086~1086ドル)。