東京なら足立区や北区などに多い…役所が教えてくれない「実は相続税が安くなる土地」【税理士が解説】

AI要約

不動産評価における重要なポイントである計画道路について解説。

計画道路が所有者に与える影響や評価額の算出方法について詳細に紹介。

適切な評価減を行わずに申告すると、不当な納税が生じる可能性がある。

東京なら足立区や北区などに多い…役所が教えてくれない「実は相続税が安くなる土地」【税理士が解説】

不動産評価について、国税側は道路1本ごとについている「路線価」に面積を乗じて算出するよう通達してはいますが、道路はすべて同一の条件を持っているわけではありません。「評価減となるポイント」があるのです。それを知らなければ、本来より多く納税する羽目になってしまいます。税理士法人レガシィ代表・天野隆氏の著書『相続は怖い』(SBクリエイティブ)より一部を抜粋し、役所が教えてくれない評価減ポイントを紹介します。

世の中には「計画道路」というものが存在します。都市計画で定められるもので、その名の通り「これからこの部分に道路を通しますよ」という計画に該当する道路のことです。

だからと言って、計画道路に該当する土地に「ここは〇年に道路になります」と看板が出ているわけではありません。計画道路は見えないところで計画が進められているのです。言葉は悪いですが、本人の承諾もなく役所が勝手に「ここ、道路ね」と線を引くイメージです。

あなたは自分の土地の一部が道路になると想像したことがありますか? おそらく一般的にあまりそういう想像はしないでしょう。

ところがその「想像もしなかったこと」が起こるのが計画道路なのです。

何かの理由があって所有者本人が役所に行って調べたり、何かの折に役所から伝えられたりして「そうだったのか」とわかるという代物です。

自分の土地で自由にできると思っていたけれども、ある日突然「あなたの土地、計画道路にかかっていますよ。ほら線が引かれているでしょう」と宣告を受けてしまう。まさに青天の霹靂(へきれき)です。

計画があるんなら、さっさと言ってよ、こっちにも計画があるんだから、と言いたくなりますよね。

計画道路に該当する土地を持っている場合、いずれ収用されるので建物の解体・建て替えや転居が必要となる場合があります。

では相続した土地が計画道路に該当していた場合はどうなるでしょうか。

将来、道路が入る土地なので、当然、建築制限がかかります。自由に建物を建てることはできませんし、売ろうとしても買い手がつきにくいこともあるでしょう。

すると当然、その土地は制限がかかっていない周辺の土地よりも価格が安くなるわけです。

そこをわかっている税理士であれば、計画道路について調べたことを土地の評価に反映させ、土地の評価額を適正に算出して申告します。

建築に制限がある土地なので、当然評価は下がり、それに対して役所が反論してくることはありません。

もしこれを知らないと、前回記事の接道義務同様、適正な評価減を行わずに申告してしまい過大な納税をすることになってしまいます(⇒関連記事: 『「お宅の土地、“細い道路に面しているもの”が多かったのでは?」⇒結果、納税済の10億円が戻ってきた…役所が教えてくれない《実は相続税が安くなる土地》の特徴【税理士が解説】』 )。