「パトリオット PAC-3」需要増加でボーイングが緊急増産を発表! 日本のライセンス生産にも大きな影響?

AI要約

アメリカの航空宇宙企業であるボーイングは、PAC-3ミサイルの重要部品であるシーカーの生産を強化すると発表しました。

需要が高まる中、シーカーの供給不足が懸念されており、ボーイングは増産を進めています。

この影響で日本へのPAC-3の輸出計画やウクライナへの供給も遅れが生じていますが、工場拡張により供給の安定化が期待されています。

「パトリオット PAC-3」需要増加でボーイングが緊急増産を発表! 日本のライセンス生産にも大きな影響?

 アメリカの航空宇宙企業であるボーイングは2024年8月7日、パトリオットミサイルシステムに使用する迎撃ミサイル「PAC-3」の重要部品であるシーカー生産を強化すると発表しました。

 PAC-3はレイセオンとロッキード・マーチンの共同開発ですが、その後、ボーイングがロッキード・マーチンの下請けとしてシーカー部分の生産を担当しています。

 シーカーはミサイルの誘導に必要なセンサー類が集まっている場所で、PAC-3を完成させるためには、なくてはならないものです。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年2月以降需要が高まっており、不足するという事態が起きていました。

 ボーイングは今回、年末までにシーカーの年間生産記録を20%以上更新するペースで増産を進めていると発表しています。

 実は日本の三菱重工業がアメリカに輸出する予定だったPAC-3に関しても、このシーカーの供給不足で遅れが出ています。アメリカは日本からPAC-3を輸入し、余剰となったPAC-3とPAC-2をウクライナに供給する意向でしたが、この計画にも影響が出ています。

 今回の増産により、多少は改善される可能性はあるかもしれませんが、供給の安定化はアラバマ州ハンツビルにあるボーイングの工場が拡張された後になると予想されています。なお、工場拡張エリアは2027年に稼働予定です。