「年金だけで生活していない高齢者」は約6割に。「所得のうち年金が占める割合」は何割?

AI要約

年金支給日を楽しみに待つ高齢者のために、公的年金・恩給の総所得に占める割合と平均受給額を確認しました。

総所得のうち公的年金・恩給が占める割合が100%の世帯は約4割であり、残りの6割では年金以外の所得が必須となっています。

厚生年金と国民年金の平均月額はそれぞれ14万円と5万円台で、性別や加入期間によって個人差が出ることがわかります。

「年金だけで生活していない高齢者」は約6割に。「所得のうち年金が占める割合」は何割?

8月15日は年金支給日です。

ちょうどお盆のこの時期は旅行やレジャー、またお子さんやお孫さんが帰省してきて何かとお金がかかる時期ですから、年金支給日を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

少子高齢化により年金への不安は年々高まっていますが、現代の高齢者はどれくらいの方が年金だけで生活できているのでしょうか。

年金以外の収入もあわせて生活している高齢者の、所得の中で年金が占める割合も確認します。

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厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」を参考に、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯において、公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合をみていきます。

●公的年金・恩給の総所得に占める割合

 ・総所得のうち年金が占める割合が100%の世帯:41.7%

 ・総所得のうち年金が占める割合が80~100%の世帯:17.9%

 ・総所得のうち年金が占める割合が60~80%の世帯:13.9%

 ・総所得のうち年金が占める割合が40~60%の世帯:13.2%

 ・総所得のうち年金が占める割合が20~40%の世帯:9.3%

 ・総所得のうち年金が占める割合が20%未満の世帯:4.0%

上記を見ると、総所得のうち公的年金・恩給が占める割合が100%の世帯は約4割でした。

残りの約6割の割合をみると、年金がおよそ半分以下という世帯も一定数あります。

年金以外の所得が必要な高齢者世帯も多く、現役世代の方が老後を迎えるころには、年金以外の所得を必要とする割合が増えている可能性も考えられます。

では、現代の高齢者はどれくらい年金を受給しているでしょうか。まずは平均受給額を確認しましょう。

厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、まずは厚生年金と国民年金の平均月額を確認しましょう。

●厚生年金の平均年金月額

 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円

 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円

 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

厚生年金の平均月額は14万円台ですが、男女差をみると約6万円の差が出ているのがわかります。

日本の年金は2階建てとなっており、1階部分の国民年金と2階部分の厚生年金です。

厚生年金は会社員や公務員などが国民年金に上乗せで加入するため、加入期間に個人差が出やすくなります。

また、保険料も収入に応じて支払うため、より個人差が出やすいといえるでしょう。

そのため厚生年金に加入されていた方は平均だけを頼りにせず、ご自身の受給予定額を早めにねんきんネットなど確認するといいでしょう。

●国民年金(老齢基礎年金)の受給額

 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円

 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円

 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円

国民年金の平均月額は5万円台となっており、そこまで男女差はありませんでした。

国民年金は原則20歳以上60歳未満の方が加入し、保険料も一律となっています。

では次に、年齢ごとの平均受給額も確認しましょう。